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ハーレム?な少年
【その他 官能小説】

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ハーレム?な少年-6

次いで、キョウカ。
「よろしく」
と、まともに返事をしただけ、ミレイよりマシであった。
…続きがなければ。「…あなたもまがりなりにも栄えあるカミラ家の使用人になる身。
その体には失敗の許されぬ重圧と責任があることを自覚なさい。
あなたが使えない存在であれば、即刻出ていっていただくようお館様に進言いたしますのでそのつもりで」
「は、はい…」
すっかり萎縮するリン。瞳には涙まで溜まっている。
(ああっ。違います!違うんです!本当は私そんなこと思っていなくて、むしろずっといてほしいくらいなのに…!…それにしても、瞳をウルウルさせて上目遣いで見つめるなんて…可愛いです…)
ミレイと同じく、心の中だけで弁解する。
…ミレイとキョウカはアイリスとカレンとは対照的に、自分の気持ちを素直に出せない不器用な人間だった。
すっかり嫌われたと勘違いしたリンは、何も言えず沈んでいる。
そんな姿を見て、表は無表情で、しかし裏ではかなりオロオロする二人。
リズはといえば、先程のミレイとキョウカの言葉が愛情の裏返しであることを理解しているので、忍び笑いをしながら傍観を決め込んでいた。
とそこに、
「ちょっとちょっとちょっとー!」
遠くから見ていたカレンが、赤い髪を怒りに燃え上がらせながら走りよってきた。
「何でリンくんをいじめるのよ、ミレイ姉様!キョウカさん!」
「べ、別にいじめてるわけじゃ…」
「そ、そうですよカレン様」
しかし、カレンは聞く耳を持たない。
「うそー!だってリンくん、あんなに泣きそうな顔してたじゃない!ね?リンくん」
カレンがリンの方に視線を向けると、いつの間に来ていたのか、アイリスがその豊かな胸にリンの顔を埋めさせて、ギュッと抱きしめていた。
「大丈夫ですよリンさん。ミレイ姉さんやキョウカが嫌っても、私だけはリンさんの味方です」
「ア、アイリス様…」
リンの顔は真っ赤になっていた。
そんなリンを見てアイリスは嬉しくなり、一層抱きしめる腕に力を込める。
そこに、
「ちょっとアイ姉様!抜け駆けー!私もするー!」
やはりカレンが割り込んできた。
アイリスはリンの顔を胸に埋めたままで、カレンに非情な言葉を投げかける。
「あなたでは無理でしょう。胸が小さいから」
瞬間、石化するカレン。
彼女の名誉のために記すが、実際の所、カレンの胸は一般的に言えばそんなに小さくはない。平均よりちょっと下といったところだ。
しかしカミラの住人は使用人も含めて揃ってボン、キュッ、ボンな人ばかりなので、カレンの最大のコンプレックスになっていた。
ワナワナと震え始めるカレン。
次の瞬間、爆発した。
「小さくて…悪かったなー!」
カレンはアイリスに飛びかかった。
「こらカレン!はしたないでしょう!」
「おやめ下さいカレン様!」
いつもでは考えられない賑やかな雰囲気。
その光景をリズは嬉しそうに眺めていた。
そして、賑やかで楽しいパーティーの時は過ぎる…

コンコン…
「どうぞ」
「失礼します」
時刻は深夜の0時過ぎ。
リンはリズの寝室を訪れていた。
パーティーが終わった後、リズに、
「0時になったら私の部屋にきて。話したいことがあるの。後で場所は教えるわ。あと、私の部屋に来ることは誰にも言ってはダメよ」
と言われ、言いつけ通り誰にも言わず、こっそりと臨時の個室(後で部屋はあてがわれるらしい)を出てここまで来た。


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