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ハーレム?な少年
【その他 官能小説】

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ハーレム?な少年-5

カミラのパーティーは、さすがと言うほかなかった。
食事の形式はテーブルに様々な料理が置かれ、好きな物を食べるというバイキング方式だった。
どの料理も舌がとろけるほど絶品で、飽きることがなかった。
またそんな料理を食している最中に何度も、
(母さんに食べさせてあげたかったな…)などと思うところが、リンの優しさの程が伺える。
そして取り分けこのパーティーの人気者は、主賓でもあるリンである。
アイリスとカレンは常にリンの傍にいて、彼に対する好意を惜しげもなく表す。
物静かで、数ある男の求愛を冷たく断ってきたアイリスや、男性恐怖症で自分からは決して男に近づかないカレンが、ここまで男性に積極的なのは珍しい。
「ねえねえリンくん。これも美味しいから食べてみてよ」
といって、皿に料理を盛り付け差し出すカレン。
「あ、ありがとうございます…」
そこにアイリスが割り込む。
「カレン。そんなにお肉ばかりあげてはリンさんがお体を悪くします。さあリンさん、こちらのお魚をどうぞ。新鮮なものですのでおいしいですよ」
「姉様っ。リンくんはお肉が好きなんだから無理やりお魚あげちゃかわいそうでしょ!ねーリンくん♪」
「リンさんがお肉が好きなんて一言も言ってないでしょ。リンさんが嫌そうにしてますわ。ねえリンさん?」
二人の美女から迫られて対処に困るリン。
そもそも、毎日生きることだけで必死だったリンにとって、異性と接する機会などあるわけなく、こういったことの免疫は皆無であった。
「むー!リンくんはお肉が好きだよね?」
「お魚ですよねリンさん?」
ずずい、と詰め寄る二人。
「あ…えと、僕はどっちも大好きですよ。ありがとうございます、アイリス様。カレン様」
ニコッと微笑む。
「あ……」
「そんな…リンさんが喜んでいただければ…」
ポッと顔を赤くさせる二人。
そんな光景を、他の女性陣は微妙な距離から眺めていた。
本当は彼女達もリンと話たかったのだが、できなかった。
侍女の皆は、主人であるアイリスとカレンが楽しそうにしている所に、おいそれと入り込むことのできない忠義心から。
キョウカは同じく忠義心と、初めて会った時のリンに対する態度の後ろめたさと、男嫌いの変なプライドが足を止めていた。
ミレイもリンに対しての態度にしこりを残しており、前へ出る勇気が出なかった。
リズがそんなミレイとキョウカの傍に来る。
「何してるのあなた達?リンと話してきたら?」
「私は…別に、一使用人の事など気にしてませんから」
「私も、あんな少年のことなど…何とも思ってません」
口々に言うミレイとキョウカ。
ただ、気にしていない、何とも思っていないなどと、今でもチラチラとリンを見ている態度からは信用ゼロだった。
リズはニマッと笑って、
「リン!ちょっとこっちにいらっしゃい」
「あ、はい」
いきなりリズがリンをこちらへ呼び寄せた。
アイリスとカレンはブーブーと不満そうな顔をし、ミレイとキョウカはピョンと肩が跳ね上がった。
「何ですかリズ様?」
「きちんと紹介しておこうと思ってね。こっちの金髪の子がミレイ。で、こっちの銀髪がキョウカよ。ミレイはうちの長女で、キョウカはここの侍従長…つまり使用人のトップね。一応、あなたの上司になるわ」
リズからの紹介を終え、リンは二人に向き直り、お辞儀をする。
「あの…ミレイ様、キョウカ様。よろしくお願いします」
「ふんっ…」
こちらこそよろしく、と言おうとしたミレイであったが、完全に動揺してしまい、不機嫌そうに鼻を鳴らして顔を逸らしてしまった。
そんな姿を見て、リンは一様に沈んだ顔をする。
(ああっ。違う!違うのよ!あなたを嫌ってるわけじゃないのっ。ああ…でも悲しんでる顔も可愛いわ…)
最後はともかく、ミレイは心の中で必死に弁解した。
しかし、言葉に出さなければ相手に届くはずもなく、誤解は解けないままだった。


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