ハーレム?な少年-12
そしてリンは、ユリの好みのストライクゾーンだった。
リンとリズの絡みを見ていて、ユリの淫らに作られた体は次から次へと愛液を垂らしていた。
他人の行為を見て、あんなに興奮したのは初めてだ。
目はずっとリンを追っていた。
リズにリンの教育を命じられたのは幸運だった。
言われた通り技術はきちんと叩き込むが、ユリには一つの思惑があった。
それは、
(教育の過程で、リン様を私に惚れさせる…私の身体の虜にし、私無しでは生きられないようにしたい…)
これほどの美少年。手に入れたいと思わない方がおかしい。
リズへの忠誠は本物だし、尊敬もしている。しかし、
(ごめんなさいお館様。私も女なんです…)
…そろそろ眠らなければ。
リンを襲わないようにするのがかなりの一苦労で、なかなか寝ることに集中できないのだ。
しかし、これ以上は仕事に差し支える。
それから数10分、ユリは鉄の自制心を発揮して眠りについた。
翌日、
「お早うございます!」
リンは貧民街での早起きの癖からいち早く起きて、厨房へ向かった。
昨日キョウカから朝起きて最初の仕事は朝食作りからと言われていたのだ。
厨房にリンが顔を出すと、待ってましたとばかりに先に来ていた女性陣がリンに詰め寄る。
「おはよーリンくん」「きゃあ!ホントに来たぁ!」「私今日食事当番でよかった…」「近くで見るとホントに綺麗…」
口々にしゃべり始める彼女達にリンもたじたじになる。
と、そこに、
「お早うございます。お喋りは仕事が終わってからにしなさい」
侍従長のキョウカがやってきた。
娘たちは「はーい」と返事をして、各々の仕事へ戻る。
「お、お早うございます」
未だにキョウカに嫌われていると勘違いしているリンは、おずおずと話しかける。
対するキョウカは、「お早うございます(ああ、やっぱり何度見てもかわいいです…)。何をしているのです?あなたも早く持ち場につきなさい(ああっ!私の馬鹿!もう少し優しい言葉をかけなさいっ。違うのですリンさんっ。そんな顔しないで!)。」
「はい…」
前回同様、無論キョウカの心の声が聞こえるわけもなく、リンはしょぼんとして持ち場に着いた。
後に残ったのは、表向き冷静な顔だが、裏ではまたやってしまったと後悔の渦に飲み込まれているキョウカが立っているだけになった。
「あ、リンくんお早うー!」
「リンさん、お早うございます」
食堂で出来上がった食事をテーブルに載せていると、カレンとアイリスがやってきた。
「お早うございますっ」
笑顔で返事をするリンに再びときめく2人。アイリスは思わずリンをぎゅっと抱きしめる。
「あ、アイリス様?」
「あー!アイ姉様また!」
「あらいやだ。私ったら」
と言いつつも、更に抱きしめる力をこめるアイリス。
それを見てますますカレンは憤慨する。
「私のリンくんを離してよ!」
「いつからリンさんはあなたのものになったのです?」
「姉様のものでもないでしょ!?」
「違うんですか?」
「違いますぅ!」
「……朝から何をしているのです?」
不毛な争いをしている2人の所に、ミレイがやってきた。
「男の奪い合いですか?全く…」
呆れたと言わんばかりのミレイに、冷めた目でアイリスが言い放つ。