第7話-1
「ゆえちゃん、手ぇつないでいい?」
「うん?いいよ」
「ゆえちゃん、手ぇちっちゃいね」
「あはは。私、チビだからね」
「ゆえちゃんの手は、柔らかくて優しいね」
「女の人って優しいよね。
そうじゃない女の人もいるんだろうけど、私、見たことないもん。
ニュースに出る悪い人は、たいてい男の人なのにさ」
「歴史でも、戦争とかバクダンとか思いつくのって男の人だね」
「世界が女の人だけになったらいいのにね。
そしたら、みんなで花を植えて、楽しくお話しするのにね」
「でも、そうなったら子供ができなくなっちゃうよ」
「今は女の人同士でも、子供ができるんだよ。えーっと、ニュースサイトに出てたよ」
「そうなんだ。ステキな話だね」
「そうだよね」
「って、話を学校帰りにしたんですけど、そんな世界になったらいいですよね」
「出来るんじゃない?」
「えっ?」
「DNAアセンブラ(仮称)で作って、ウイルスに仕込めばいいのよ。
感染すると、女しか出来なくなるウイルスを、世界中にバラ撒くの。
インフルエンザが流行するのと同じ事よ。
発症しても、出来る子供が女になるだけで、不自然は無いよね。
数年して、統計的におかしいぞ、ってことになって、
調査を始めても、その頃には世界中に蔓延しているよね。
ワクチンを作れないように、生命の根幹に関わるような、強力なプロテクトをかけてさ」
「ええっ!?」
「そうなったら、人類は女同士で次の世代を作っていくしかないから、
遺伝子結合技術を使うしか無いワケさ。
利益は私のものになるようにマリーがしてくれたから、
キャー!私達、世界一の大金持ちよ!」
「いいぞ…いいぞ…」
「えええっ!?」
「ま、次の世代以降の話だから、私とゆえの子か、孫の世代になるけどね。
でも、世界平和と金儲けを同時に成すなんて、
素晴らしいアイディアね!流石、私のパートナー!」
「いや、犯罪めいたことは…」
「早速、マリーに相談しようかしら。DNAアセンブラ(仮称)の話も、悪く無いわね」
「ナオさーん」