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噂をすれば恋
【女性向け 官能小説】

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「私たちさ、こんな良い女が二人で飲んでて悲しくない?」

残業をして7時を過ぎた頃、海外事業部の同期のすみれから
フランスの出張帰りで頼んでいた口紅を買ってきたよと
社内メールが入ったので、残業を早々に切り上げ
駅の近くにある小さく汚い飲み屋に入った。

ここは小さくて汚いので会社の人はほとんど来ない。
私とすみれはここが気に入って二人で飲む時は
ここによく来る。

「すみれは?宇野さん狙ってたんじゃないの?あれ、どうした?」

すみれは海外事業部で若手ではエースの宇野さんを狙っていた。

「宇野さんダメ。なんか学生時代からの彼女と結婚するらしい」
「へ〜」

あっさり話しているところを見ると
本気ではなかったってことか。

「真樹は?加藤さんのこと本気だったんじゃないの?」
「こっちもダメ。取引先の担当とくっついたのよ」
「へ〜」

私は久しぶりに本気だった。

でもそんな恋も突然現れた女性にあっけなく加藤さんをさらわれ
さらに加藤さんはその彼女を会社の人に自慢して回った。

私たちは綺麗な方だと思う。
仕事も出来る。結婚までの腰掛けOLと違って
総合職として入社してる。

入社して4年。そこそこの仕事をこなす。

そして、適度に男はいる。
お互いに都合が合う時に飲む男。
お互いに本気にならない相手。

私とすみれはお互いに自分に似た匂いを嗅ぎとって
本音で話し合える女友達になった。

でも私は、ここ数カ月、加藤さんに夢中で
そんな男たちとも距離を置いていた。




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