Eden-1
「Eden」。
神話に出てくる、アダムという男とイヴという女が暮らしていたという、どんなこともしても良いし、何を食べても良かったとされる楽園だ。
しかし、そこでは禁忌があった。
それは"善悪の知識の樹"になっているリンゴの実を食べる事だ。
二人は悪魔にそそのかされ食べてしまい、「Eden」から追放された。
そして、今から数十年前。
ネットワーク犯罪が深刻な社会問題になっていた頃。
この状態を打破するためあるプロジェクトが立ち上げられた。
その名も「Project K」。
それにより作られたのが、ネットワーク犯罪監視及び取締AIを中心とするネットワークシステム。
通称、「Eden」。
しかし、彼女はあまりの犯罪数、そして悪意によりシステムダウン、スリープしてしまった。
これにより、ネットワーク犯罪を止める手段が無くなり、世界は大混乱に陥った。
だが、そんな中、ふと現れたあるハッカーにより全システムのクラッキング、復旧が成功し彼女はスリープから目覚めた。
結果として、迅速に混乱を終息させたため、被害は最小限に抑えられた。
そして、今。
彼女を中心としたネットワークはいまや、宇宙全体のあらゆる物を支え、全てのデータを守り、ネットワーク犯罪は年々減少していた。
そんな「Eden」内で人類初の試みとなるプロジェクトが大詰めを迎えていた。
21世紀に死んだある女性を彼女の全てのデータを基にして「Eden」内で蘇らせるという計画だ。
だが、この時誰も想像していなかっただろう。
そのプロジェクトがパンドラの箱になるとは。