〈恥虐の花嫁・銭森春奈〉-12
『浣腸されてるケツ穴を俺達に見てもらいたいってのかあ?さすがは麻里子の妹だぜ!』
「ぶがあッ!!離し…ッ!!…あぐぐぐ!!」
専務は突っ伏した春奈を逆向きに跨ぎ、尻が天井を向くように抱き上げると、グニャグニャと芋虫のように暴れるのも構わずに部屋の中心まで運んだ。
『今さら何処に逃げるってんだよ?この糞犬がぁ!』
床に仰向けにゴロンと転がされると、春奈は抗う様子も見せずに泣きじゃくったままだった。
美津紀は精神を破壊させられて妊娠し、瑠璃子は性欲処理の道具にされ、麻里子は心身共に犯されて、密林の中に連れ去られた……。
誰も助けられなかった……頼りだった景子も既にタムルの毒牙に掛かっていたし、優愛や奈和を救い出す手立てすら思い付かない……喉元に両手を添え、短い脚を広げた様は、さながら服従を示す犬のよう……全てを失った春奈の降伏を、知らぬうちに態度で示していた……。
『腹が痛えんだろ?糞がしてえんだろ?……じゃあ早くテメェのトイレを探せよ?犬なら犬らしく床の臭いを嗅いでなあ!!』
「あぎいぃぃッ!!痛いッ!!離して痛いッ!!!」
専務は春奈の髪を掴んで無理矢理に引き起こし、俯せにさせて詰った。
あの夜、想定外な強さを発揮し、生意気にも勝ち誇って見せた春奈の弱々しい姿は、専務の鬱憤を晴らすには充分といえた。
便所虫のように背中を丸め、肛門にはパイプを入れられ、加えられる乱暴にすら手も脚も出せないでいるのだ。
「ま、麻里…ッ!麻里子お姉……たす…助けてぇ!!!」
『クハハハァッ!!麻里子の小便の臭いがするだろ?懐かしい“残り香”に胸が一杯になるだろぉ?』
指という指に髪をグシャグシャに絡め、握り締めたまま床に押し付けては笑う。
もはやサロトの大切な花嫁だという事すら忘れてしまっているようだが、この部屋の支配者達の欲望と、それほど隔たりは無いようだ。
タムルは楽しそうにピストンを押していくし、サロトも笑みを絶やさずに“それ”を見ている。
『この辺に麻里子が糞の山を作ったっけなあ?……この黒い染みが糞の跡かもしんねえぞ?オラ、早く嗅げ!鼻を鳴らして嗅げよぉッ!!』
「う…あぁぁぁッ!!もうやめて!!もうやめてぇぇッ!!」
散々に姉妹を嘲り笑われ、口汚く罵られ、そして暴力と変態行為である浣腸という責めを受けさせられ、春奈は剥き出すべき牙すら失ってしまっていた。
それは数年前の、夏帆の救出を決意して戦った真希や芽衣の姿に酷似していた。
思い上がった正義感だけで果敢にも挑み、そして脆くも破れ去り、緊縛に自由を奪われての集団凌辱に、恐怖に押し潰されて許しを乞うという無様な姿。
誰がどう見ても刑事などではなく、拐われた一人の悲劇の美少女でしかない。
親子ほども年齢の離れたオヤジ達に囲まれ、「助けて」と繰り返し泣き叫ぶのみ。
人語を解せぬ畜人に、命乞いなど無意味だというのに……。