〈恥虐の花嫁・銭森春奈〉-11
『おい春奈、この床は臭いと思わねえか?……麻里子が糞と小便を有りっ丈ブチ撒けた部屋なんだからよお』
「ッ〜〜!!!」
ビニールパイプをズルズルと引き摺りながら、春奈は扉を目指して這っていった。
息を切らせて泣きじゃくり、麻里子への侮辱にすら応えようともしない。
それは専務やサロトが思い描いていた、完全に追い詰められた春奈の姿だ。
『あらあら、もう口答えは終わり?こんな情けない有り様じゃ、牝豚も浮かばれないわよ?』
タムルは生卵で満たされた巨大な浣腸器を抱え、春奈の尻尾を捕まえた。
そしてその尻尾の尖端に、浣腸器のノズルを挿し込んだ。
「あ…あぁぁっ!?駄目えぇぇぇ!!!」
タムルがピストンを押し込むと、黄身が崩れてパイプの中を流れていった……直腸に生卵が流れ込む感覚に春奈は悲鳴をあげ、背中を丸めたまま焦ったように歩みを速めた。
『クハハハッ!!首輪着けて尻尾振って四つん這いで這い回るとは、テメェは犬かあ?』
専務の罵声に振り返る事もせず、春奈は扉の前まで到達し、ドアノブを掴もうと懸命に伸びた。
その様を見れば、春奈の頭の中には、逃走の二文字しか無いのは明白だった。
「開いてよぉ!!開いてぇッ!!」
膝だけで立ち上がり、喉元にある手で窮屈そうにドアノブを握り、身体を揺らして開けようとしている。
その鋼鉄のドアは春奈の足掻を嘲笑うように、まるで知らぬ顔を決め込んだままだ。
『扉が開かないの?早くしないと、貴女のお尻の中に生卵が全部入っちゃうわよ?』
タムルは女の力では開かない事を、ましてや膝立ちの不安定な姿勢などでは決して開けられない事を知りつつ、春奈を嘲るように囃して浣腸器のピストンを押し込んだ。
「くあぁ…ッ!!あぁぁぁぁッ!!!」
生卵はジュルジュルと音を発てて流れ込んでいき、春奈の握力を奪い取っていった……ドアノブから手は離れ、苦しさを増していく腹部を庇うように、背中はクルリと丸まってしまった……。
「い…嫌…よぉ!!も…もう入れな……ひッ…ひい……」
扉に両手をついて凭(もた)れ掛かり、春奈は苦しそうに喚いた。
既に数日分の排泄物で直腸は一杯になっている。
もうこれ以上の“貯蔵”の余地は無い。
ズルズルと扉から両手は滑り落ち、許しを乞う土下座のように突っ伏して、春奈は鳥肌に塗れた尻をサロト達に突き出した。