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ある恋の物語
【その他 官能小説】

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ある恋の物語-3

「これを見て頂戴。同じお守りよ」
「さや子はそれを、何処で手に入れたの」
「おばあちゃんが死んだ時、この鏡台に入っていたの。私が形見に貰ったのよ」
「中に、紙が入っているだろう」
「ええ、伊助、さわって書いてあるわ」
「さや子のおばあちゃんは、さわって言うのか」
「そうすると、伊助はホルヘのおじいちゃん」
「おじいちゃんが茨城の出身だって聞いていたんで、もしかして何かの手がかりになるかと思って持ってきたんだけれど、名前だけじゃどうしていいか分からないから困ってていたんだ」
 ホルヘは、さや子の手からお守りを受け取ると、中から紙を取り出し、更に奥を指で探った。
「これを見てご覧」
「なにこれ」
「僕のにも入っているんだ。よく見てご覧」
「これ、毛でしょう。二本が結んであるわ」
「縮れているから、間違いなく、あそこの毛だよ」
「そうすると、ホルヘのおじいちゃんと、私のおばあちゃんは、きっと将来を誓い合って、これを作ったんだわ」
 さや子は、さわおばあちゃんの顔を思い浮かべた。いつもにこにこしていたあのおばあちゃんに、こんな秘密があったなんて。
「さや子さん、僕たちは、おじいちゃんやおばあちゃんの分も、幸せにならなくっちゃ」
 ホルヘは、さや子を抱きしめると、ベッドの上に誘った。
 ネグリジェを捲り上げ、パンティーを脱がす。さや子は、黙ってホルヘのなすがままに体を横たえる。
 透き通るように白い肌に、さわさわと黒い蔭が股間を覆う。
(今度こそ、しっかりと根元まで入れなくちゃあ)
 昨夜の経験で、ホルヘは自信に満ちていた。
 唇を合わせながら、乳房をまさぐる。
 指にまつわる陰毛の感触を心地よく感じながら、割れ目を探る。穴の位置も、昨日確かめてある。膣口に当てた亀頭は期待に震え、ペニスは武者震いをして波を打つ。
「さや子、愛してるよ。幸せになろうね」
「ホルヘ、私もあなたを愛してるわ、いつまでも、いつまでもよ」
 ホルヘは、腰を落とすと、一気にペニスをさや子の子宮目指して、深々と挿入した。

5)
 さや子の子宮粘膜の上を、ぴょんぴょんと元気な精子が、先を争って走る。
 その子宮の先に、排卵したばかりの卵子が、粘膜の襞に半ば埋もれて横たわっている。
 
 刈り終わった田んぼの、積み上げた稲束の影で、さわは伊助を待っていた。
 田んぼ道を、飛び跳ねるように、近づいてくる伊助を認めると、走りよった。
「伊助さん、待ってただよ。」
「ああ、さわさん、やっと会えただなあ」
「ゆんべは伊助さん遠くに見て、追いかけただけど、追いつけなかっただ」
「そりゃ、悪いこどしたなあ。なんせ、このあだりすっかり見違えてしもうて、しかだなしに、出直して来ただ」
 さわは、伊助の胸に顔を埋める。
「永いこと待たせて済まなかっただ。なにせ、あちらにも色々あってなあ、おめえのこど
一日も忘れたこどなどなかっただよう。もうさわさん、絶対に離さねえがら、今度こそ一緒にブラジルさ行こう」
「嬉しいよ、伊助さん、待ってた甲斐があったというもんだ。でも寂びしかっただよう」
「もう離さねぇど、二度と離さねぇど」

  先頭の精子が、卵子を見つけると、飛び掛って、交わった。
 

 完


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