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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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千年メダル-30

――たとえば君に 名前なんてなくっても
  たとえば君に 星座なんてなくっても
  思い出す 忘れない
  僕はずっと君のこと 考えてるところ


思わず目を見開いて無機質なモニターを眺めてしまった。


いや、驚いてそれを見たわけじゃない。


何となくだけど、この曲が、歌詞が今の久留米さんと妙にマッチしていたから、驚いてしまったんだ。


きっと、今の久留米さんはこれを聞いて芽衣子さんのことを想っているような気がした。


――この恋がいつの日か 表彰台にのぼる時
  君がメダルを 受け取ってくれないか


「久しぶりにこの歌聴いたけど……いい歌詞だったんだな」


いつの間にか久留米さんはあたしの方を向いて小さく微笑んでいた。


きっと、こんな風に芽衣子さんのことを想っていたのかな、と思うと、ちょっぴり妬けて苦笑いになる。


親友の彼女なんて、報われない恋に見切りをつけられず、ずっと想っていた久留米さん。


きっと、芽衣子さんへの想いは、表彰台モノだったんだろうな。


果たして、今始まったばかりのあたし達の恋は、表彰台にのぼれるだろうか。






――たとえば千年 千年じゃ足りないか
  できるだけ長生きするから






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