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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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千年メダル-26

ねえ、芽衣子さん?


あたし、オカルトチックなことって全く信じないんだけど、メイを見てると……


――あなたの生まれ変わりなんじゃないかって思うときがあるんです。


家族以外の誰にもなつかなかったあの子が、唯一なついたのが久留米さんで。


あたしが塁の誘惑に負けそうになっていた時、身体を張って目を覚まさせてくれて。


あなたからのメッセージを、まるで“気付いて”と言わんばかりのタイミングで伝えて。


バカげた妄想かもしれないけど、あなたはずっと、あたしと久留米さんを応援してくれていた、そんな気がします。


久留米さんにそう言いたいけれど、きっと笑われるか、ドン引きされるだけだと思うから、これはあたしの胸だけにしまっておきますけど。


でも、そう信じていいのなら、あたしはメイのことを今まで以上に大切にするし、久留米さんのことも、めちゃくちゃ幸せにするから。


だから、安心してね。





「なんか、ニヤニヤしてる」


久留米さんがあたしの顔を不思議そうに覗き込むけど、


「へへ、秘密です」


と、ニッと笑って舌を出すだけ。


そして、久留米さんの胸の鼓動を肌で感じながら、あたしは彼が持っていた写真からチラッと覗く芽衣子さんの笑顔に向かって、小さく頷いて、再び彼の背中を強く抱きしめた。




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