千年メダル-24
見つめ合っていた時間なんて、たかだか数秒のものだったと思う。
でも、あたしにとっては時が止まってしまったんじゃないかってぐらいに長かった。
久留米さんの左手を握っていた手は、いつの間にか彼の指に絡められていて、あたしの心ごと離れられなくしていた。
「俺、芽衣子以外の女を好きになることなんて、絶対ないと思ってた。
だから、宗川さんの存在が大きくなっていく自分にずっと目を背けてきたんだ。
……でも、芽衣子の言葉を信じていいのなら、俺はもう自分に嘘をつかない」
その言葉に、ぶわあっと溢れる涙。
ハラハラと落ちる涙があたしと久留米さんを繋ぐ手の上に落ち、指の間をすり抜けていく。
何か言わなきゃ、と思っても嗚咽がそれを邪魔してばかりで、ただ頷くことしかできない。
久留米さんは、そんなあたしの濡れた頬を空いた右手で優しく撫でてくれた。
そして、ゆっくり顔を近づけてきた彼は、
「自分で宗川さんのこと突っぱねておいて、傷つけといて、勝手かもしれないけど、俺……あなたが好きです」
と、あたしの耳元で囁いた。