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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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「希望。誤解しないように言うけど。
希望が常務の娘だって知る前から希望の事が気になってたんだ」
「そうなの?」

「カギを拾った時のこと、覚えてる?」
「うん」

「あの時。一目ぼれ」

恥ずかしそうに照れ笑いをしながら教えてくれた。

「だから。誰の娘だろうと関係ない」
「そっか」

山田さんは私の小さな心の奥の不安をあっという間に取り除いてくれた。

「どうしても希望と接点がほしかった。たとえずるい手を使っても」
「うん」
「だからあの時給湯室で偶然聞いた話は渡りに船だったんだ。
無理やりだったことは謝るよ」
「うん。無理やり・・・接点を作ってくれてありがとう」

私が笑いかけると
山田さんは苦笑いして私の髪をくしゃくしゃにした。


「希望が常務の娘だから付き合っていると心配してるって
常務に言われたんだけど・・・」

え・・・・
お父さんったら・・・おしゃべり。

「本当にそんなことないから」

この人、本当にエリートなの?と
苦笑いがこみ上げるほど情けないような顔で一生懸命に弁明する姿に
可愛いという感情が沸き起こる。

会社では誰もが認めるエリートでも、私だけに見せる顔はいつまでも素直でいてね。

「ね。経営管理って、人事の情報も社内メールの閲覧も許可されているほど
会社の『管理』を任されているらしいけど」

「うん・・・?」

「その経営管理部のツートップの一人、山田さんの『恋心』を管理するのは私でありたい」

私が精一杯強がって言ったら山田さんは笑いながら私の手の甲にそっと口づけをした。


「姫。仰せのとおりに」





You are the princess whom I love.










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