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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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二人の罪-5

樹里奈視点

「おっそいなぁー、何してるんだろ?」

気持ちの良い青空が浮かぶ下、私は水族館付近の場所で友人を待っていた。

「んもぅー春華ってば「せっかく復帰したんだから今度の休みの日、私と水族館にでも
行かない?」って自分から誘って置いて・・」

腕時計を何度確認しても、待ち合わせの時間から既に20分以上は経っており
この日も多くの人で賑わう人々の姿が目に映る中、ポツンと一人約束も守れない友人に
イラつき。

「電話しよっ、電話な」

痺れを切らし、ポケットからケータイを取り出し、春華に文句を言ってやろうとしたその時・・。

「ゴメーンッ!!遅れてっ!」
何処からか私に向かって、謝る声を耳にする、ダガその声は明らかに聞きなれた高い声ではなく、何処か柔らかい低い声で

「ちょっと!遅いよ、何してた・・の?」
今の私は、そんな事どうでも良く、遅刻しやがった友人に、イラつきつつ眉を潜め、友人
の居る、声のする方へ体を向けるとソコには本来在るべき友人の姿では無く・・

「・・しゅう!?何でここに?」

ソコに映っているのは、春華ではなく息を切らし私の元へ駆け寄るしゅうの姿その人で
彼も、私の姿を見て「アレ?」とでも言わんばかりに目を丸くし。

「俺は・・、翼の奴が急に「たまには気晴らしに男二人で水族館にでも行こうぜ!」
何て、誘い出すもんだから来たんだけど・・」
「私も、昨日・・春華から急に電話が来て・・」

何が何だかさっぱり分からなく、二人で固まっていると

「ん?メール?」

丸で誰かが見ているかのように、タイミング良く私のケータイが鳴り出しそれを見ると

「せっかく彼と一緒になれたんだから、楽しまないと・・・・春華より」
「・・まさか」

そういう事・・
私はことのからくりを、理解し軽く溜息をし、ケータイをしまい

「どうしたの?春華から?」

私のしまったケータイを、目で追うしゅう、どうやらそっちの方は二人に騙された事など
解っておらず・・、お人よし・・というか。

「・・どう・・しようっか?」

とは言え、この状況をどうしようか無意識に彼に尋ねる。

「そう・・だな」
彼もまた、この状況に戸惑い悩んでいる様で

「・・帰ろっか」
私がそう、提案するも彼は何一つ動じず、そして

「いや、せっかくここまで来たんだ、行こうよ水族館」
「えっ?」

こうして私達はまんまと春華達の罠に引っかかったのだった。




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