投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

君を救いたいの最初へ 君を救いたい 37 君を救いたい 39 君を救いたいの最後へ

二人の罪-4

下校をするクラスメート達で賑わう中、俺はこの日の部活は休みで、そのまま一人で下校をする。

そんな後ろ姿を見つけた樹里奈が、俺の方に駆け寄るとするとソコに

「やっほー!今帰り?」
樹里奈より先に、楓がやって来て俺と肩を合わせ共に下校する

そんな光景を見つめ、元気に挙げてた腕が、そのまま凍りつき小さくなってゆく俺らを
目で追う。

「どうしたの?」
「・・えっ?あぁ春華」


「ホント良かったわ、私本当に心配してたんだから」
「春華・・」
「見舞いに、様子を見に行きたかったのに、面会謝絶って札を見て、あの時は言葉を失ったよ・・。だからアンタの家に行って、オバサンから聞いたよ・・、そして「あの娘なら
大丈夫」って聞かされた時は、流石に力が一気に抜けたよ」
「ゴメンね春華、心配掛けて」
「えぇ、全くよ!あれから一年・・私なりに色々考えたんだから」

春華も春華で、小学校からの友人の事を、本気で心配し

「それで、本当に大丈夫なの?」
「もぅー大丈夫だってばぁ、体もこの通り」
「体の心配をしてんじゃないのっ!心の方はどうなの!?」

急に大声を出す春華、キッと目を尖らせ樹里奈を見つめ、そんな春華に樹里奈も肩が竦み

「・・あ、ゴメン驚かせて」
ふと我に返り、謝る春華・・、樹里奈も軽く「いいよ」と言い

「・・私は、私何かが彼に・・しゅうに会う資格何て」
「それは!」

春華もまた理解あるクラスメート以上に、例の事件について知っていた、その重さ
その事件が、何を意味するのかを。

「・・でもしゅうは今でも」
「ならどうして別の女の子と付き合ってるのよっ!」

今度は樹里奈が春華を睨みつけ。

「えっ・・、あぁ楓サンの事」
「へぇ楓って言うんだあの子・・。中々良さそうじゃない?明るくてしゅうも彼女と一緒にいて楽しそうだし」
「そんな、そんな事は・・」

待ってた信号が、青になり「ほら行くよ」とボー然とする春華に声を掛け。

「・・アンタは・・しゅうの事、諦めるの!?」

春華は解っていた、自分の友人が今、いかに俺を想い、復帰して同じ教室に居られた事実
を喜んでいたかを・・。
春華の言葉に、稲妻が走ったかの様にハッとし

「諦めてる訳無いでしょっ!?・・私は・・今でも、彼しゅうの事が・・好き・・」


             
              だぁーーーいすきだよっ!!



「・・・樹里奈。」

大空に響き渡るその言葉を浮かべる彼女の目には涙が浮かべられ・・

それは、今でも俺の事を好きでいる事実と

そしてその想いが、決して、腕をどんなに大きく伸ばしも、大空に優雅に浮かぶ空には
届かない事実を意味していた。

「・・・・樹里・・奈」




君を救いたいの最初へ 君を救いたい 37 君を救いたい 39 君を救いたいの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前