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雨の歌
【女性向け 官能小説】

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突きつけられた真実-4

 良平は、細い隙間から沙恵のベッドをのぞき見た。

 全裸になった沙恵の白い肌を一人の下着姿の男が押さえつけ、手にロープを持っている。

「だ、だめ、ロープで縛ったら跡がついちゃう。良平にばれちゃうよ」沙恵が大声で言った。
 男は彼女から身を離すと、肩をすくめた。「そうか、じゃあガムテープで拘束すっか」

 良平からは顔が見えないその男は、ベッドから離れて、部屋の隅のキャビネットの引き出しからガムテープを取り出し、ベッドに戻った。「俺としてはロープで縛り上げた方が燃えるんだけどよ」

 その男の声には聞き覚えがあった。

 ベッド上で両手首をガムテープで拘束された沙恵は、艶っぽい喘ぎ声を上げ、両脚を自ら大きく広げた。
「もう我慢できない、入れて! 圭輔、お願い!」

「(圭輔?!)」

 その瞬間、良平は全てを理解した。
 玄関先のボトルは圭輔の飲んだ焼酎の空き瓶、ハイボールの空き缶の中にはタバコの吸い殻。

 良平は自分でも押さえることができない程、ぶるぶると身体を震わせていた。

「いくぜ! 沙恵」
「来て! 来て! お願いっ!」沙恵が大声で叫んだ。
 圭輔は躊躇うことなく、自分のもので沙恵の身体を貫いた。
「きゃあーっ!」高く、それでも甘く吠えるような沙恵の悲鳴が良平の耳を突き刺した。

 圭輔は腕を突っ張り荒々しく腰を動かした。
「いい、いいよ、圭輔、いいっ!」沙恵は身体をよじらせ、激しく叫んだ。
 二人の身体に汗が光り始めた頃、圭輔は出し抜けにペニスを引き抜き、沙恵の身体を反転させて四つん這いにさせた。そして背後に膝立ちになると、右手と左手で代わる代わる沙恵の尻をひっぱたいた。

 バシッ! バシバシッ!
 バンドのドラムの強烈なビートに合わせるように、部屋中に乾いた鋭い音が響いた。

 何度も繰り返されるその音がする度、良平は胸に鋭い針を突き刺されるような痛みを覚えた。

「いくぜ! 沙恵! おまえもイけっ!」
 圭輔は叫び、赤黒く濡れそぼったペニスで背後から沙恵の秘部を貫いた。
「ああああーっ!」
 沙恵は顎を上げて大きく喘いだ。

 圭輔は激しく腰を動かす。
「このまま出すぞ!」
「い、いや、だめ! 今はだめ! 外に……、ああ、あああ……」
「なんだ、つまんねえな、じゃあイく時抜くからな」
「ごめんなさい、圭輔、あ、ああああ、もうだめ! イっちゃう、あたし、イっちゃうっ!」

 沙恵の身体が大きく揺れ、秘部からシーツの上に透明な液体がしたたり落ち始めた。

「イくぞっ! 沙恵っ!」
 圭輔も身体を硬直させた。彼は深く埋め込んでいたペニスを引き抜くと、手で握って沙恵の尻にその先端を向けた。次の瞬間、白い液が勢いよく沙恵の背中に放出された。

 圭輔の大臀筋がひくひくと痙攣している。

 沙恵の秘部から噴き出していた液は、圭輔の太股とシーツをびしょびしょにしていた。

 ヴォーカルが絶叫し、ドラムのクラッシュシンバルが弾け、ライブ会場の大歓声が響き渡った。


 良平がそのマンションを出た時には、雨は本降りになっていた。
 彼は駐車場の自分の車の所に戻ったが、ドアの前で立ちすくみ、じっと沙恵の部屋の窓を見上げたまま雨に打たれ続けた。

 良平の手には、沙恵に渡すはずだったジュエリーケースの小箱が握りしめられていた。
「一体、僕は……」

 そう呟いてうなだれた良平の頬を、冷たい雨の滴と熱い涙が一緒になって流れ、ぽたぽたと黒いアスファルトの地面にいくつも落ちて、不規則な形の浅い水たまりにいくつもの同心円を描いた。


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