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雨の歌
【女性向け 官能小説】

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突きつけられた真実-2

 少し足下をふらつかせながら、良平は帰途についた。
 途中のコンビニの看板を見て足を止めた良平は、しばらくそのまま突っ立っていたが、決心したようにその店に足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ!」
 若い店員の明るい声がした。そしてレジから良平に笑顔を投げた。
「(沙恵もこんな風に仕事してるのかな……)」
 良平は酒の並べられた棚から白い焼酎の瓶とレモンのコンクボトル、冷蔵のキャビネットの扉を開けて炭酸の瓶を取り出した。

 自宅に帰り着いた良平は、部屋で今買ってきたボトルをベッド脇の小さなテーブルに載せた。そしてオーディオのスイッチを入れ、CDケースから黄色いラベルのディスクを取り出し、トレイに入れてプレイボタンを押した。静かで艶っぽいクラリネットの調べが流れ始めた。

 彼はキッチンから背の低いグラスに氷を入れて部屋に持ち込み、焼酎とレモンを入れ、炭酸で薄めてガラス製のマドラーでかき混ぜた。

 焦点が定まらず、目の前のグラスがゆらゆらと揺らめいた。
 良平はそれを口に持っていって、一口飲んだ。

 焼酎のつんとした匂いが口から鼻に抜け、良平は思わずむせ返った。
 彼はそうしてその一杯の炭酸割り焼酎を長い時間をかけて、渋い顔をしながら飲んだ。飲み干したときには、すっかり氷も溶けていた。
「こんなもの、よく飲めるよな……」

 良平はそのままベッドに潜り込んだ。クラリネットの音色が彼の耳の奥に遠ざかり、あっという間に深い眠りに落ちていった。


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