い-3
「希望、紹介したい人って言うのは山田か」
昨日軽く打ち合わせして美味しいご飯をご馳走になった。
どう考えても男同志で行くようなお店じゃないから
どうせ女性と一緒に行ったことがあるんだろう。
翌日の土曜日のお昼前にうちに来た山田さんを見て
父はビックリした口調で言った。
「知ってるの?」
「希望、常務には入社した時にお世話になっているんだ」
へ〜 さすが。経管の新人は部長に着くのか!
「着実に出世しているようじゃないか」
「おかげさまで。常務もお元気そうでなによりです」
「その自信家なところは相変わらずだな。
なかなか希望が紹介してくれないからヤキモキしたよ」
そりゃね。昨日商談成立したんだもの。
「希望は僕が相手では認めてもらえないと思ったんでしょう」
けっ!よく言うわ!
「珍しく謙遜だな」
「希望の前では。いつもこんな感じですよ」
いつもね〜・・・・
昨日初めてまともに話したんですけどね
「とにかく!山田なら安心だ」
そりゃ、ようございました。
「このまま昼を食って行くか?」
「いえ。よろしければ希望とデートをしたいのですが。
平日は忙しくてなかなか会えないので」
そんな言葉巧みに私を家から連れ出した山田さんは
ドライブした後、オシャレな美味しいお店に連れてきてくれた。
「すみませんね。私だけビールで?」
「いや。俺運転だから」
苦笑して私が飲むお酒を見ている。