あまい時間-2
「てんちょ・・・んあっ!」
頭が追いつかなかった。
わたしの唇を塞いでいるのは、店長の唇で。
見開いた目のすぐ近くには、鋭い店長の瞳があって。
その鋭さになにも抵抗ができない。
「んあっ・・・んん・・・っ!」
息ができなくて、口を開いた瞬間に舌が入ってきた。
必死に閉じようと試みるが、頭の後ろをしっかりと押さえ込まれている。
角度を変えて侵入してくる舌は、なにか入ってるのではないかと思うほどわたしの頭を真っ白にさせる。
「んんんん・・・っは!んっ・・・んんっ!」
舌を舌で捉えられ、強く吸われた。
口内をすべて刺激されると足が震えて、立てなくなる。
崩れ落ちそうになった腰を無理やり支えられ、長い長い接吻をただ受ける。
どちらのものかわからない唾液が、顎までつたい制服を汚した。
「んは・・・っ!・・・な、なんで・・・」
やっと自由になった口で言ったときには、もう立っていられず、店長が手を離せばすぐに座り込んでいる状態だった。
「美優ちゃんさ、俺のこと好きでしょ」
冷ややかな笑みを浮かべた店長が言う。
ぞくり、と悪寒が走った。
「なに、言ってるん・・・ですか」
喉がカラカラでうまく声がでない。
心臓の音がうるさい。
「きゃ・・・っ」
いきなり店長がわたしを支えていた手を離した。
一瞬、腰に当たる硬い床を想像したが、キスの間に押しやられていたらしく、着地したのは客席のソファー。
「ん・・・っ」
押し倒されて、もう一度キスをされた。
その隙に制服のボタンが外される。
「ねえ、美優ちゃん。セックスしようか」