好き、だけど・・-6
「・・くれるの?コレ」
笑い終えた俺は、面とう向かって落ち着いて彼女を見つめる
「そうだよ、アンタには幸せになって欲しいモン!」
「楓・・」
手の平に乗ったストーンを、笑みを浮かべ、瞼を細め、改めて見つめる
「ありがとうっ!」
俺は、満べんの笑みで、楓に力一杯に、感謝の言葉を言う
「二人で一緒に・・幸せになろうな」
「しゅう・・」
俺はゆっくりと彼女の手を取り、胸をくっ付け、頬を赤くしその明るい女神を見つめる
ますます夜の暗さが増すも、気のせいか俺達の周囲だけ、太陽の様に明るいオーラが放たれている感じがする・・。
「一人で大丈夫?、送ろうか?」
「ううん、平気、今日はとっても楽しかったよ、アリガトウ!」
俺らと同じ様に、祭りを後にする人たちに混じり、例外無く足を動かし楓を送る。
和服をひらつかせ、無邪気に走って帰り、どんどん人ごみと共に、小さくなってゆく
彼女の背中に、しみじみと視線を置く俺。
「・・やっぱ、楽しいなぁ・・楓と居ると。」
「・・・・このまま俺は、彼女と付き合い・・そして行く行くは・・」
会場から放れ、人気が無くなっていき、暗い夜道をポッケに手を忍ばせ
しみじみと彼女との、今日の日々を思い浮かべる。