第6章 狂宴-18
「‥その、狐顔はとっても上手で、直哉様にイかされたばかりだったのに、アソコが潤んじゃって、あたしもう一度イかされちゃいました。そしたら、今度は三杉電工のどら息子が覆いかぶさってきました」
三度彼女は姿勢を変え、更なる痴態をさらす。仰向けに寝転んだかと思うと、脚を高々と上げ、開いたまま顔の方に倒す。でんぐり返しを途中で止めた様な格好だが、服を着てなければ陰部が剥き出しとなり、淫らなことこの上ない。
「こんな恥ずかしい恰好を取らされ、どら息子はあたしのアソコに指を入れてきました。それだけじゃなく、お尻の穴にも指を入れられ、グチュグチュかき回されました。変な体勢で責められたから、何だか変な気分になっちゃって、恥ずかしい声で喘がされました。でも、彼の責めはガサツで、それに二度もイちゃった後だし、痛いだけで全然気持ち良くなかったです」
ぱっくり股を開き、陰部に自分の指をねじ入れながら、彼女は最後の方で不満そうに口を尖らせる。x彼女の惨劇を聞くにつれ、私は心が萎えていくのを覚えた。これ以上は聞くに堪えないのに、彼女の告白は終わらず、耳を塞ぐこともできない。
「疲れ切ったあたしに、直哉様はおいしいお酒を飲ませてくれて、すごくいい気分になったんです。それからもう一度抱かれた時は、とっても気持ち良かったです。直哉様はあたしの中に放つ前、お前はいい娼婦になるぞって言われました」
身を起こした彼女は両手で股を開き、濡れた陰部を見せつける。物欲し気で、媚びるような表情は、女性の浅ましさを見せつける最低の表情だった。しかし彼女は操られているだけ。どうして軽蔑などできようか。
「それからあたしは教育され、直哉様の仰る通りの女になりました。だから今のあたしはセックスも男もだ〜い好きです」
「いかがですか。この淫乱女が言うように、私の教育を受ければ誰もが従順な下僕となるのですよ」
一体運命はどこで狂ってしまったのだろう。何故私の愛する人々が、このような辱めを受けねばならないのか。淫靡な笑みを浮かべる橘沙羅を、九条は好色そうに眺め、舌舐めずりをしてみせる。どす黒い怒りの感情が、心を憎しみへと駆り立てる。かつてこれほどまでに人を憎いと思ったことはない。例えこの身がどうなろうと、この男の思い通りにだけはすまい。
それにしても、彼の言う教育とは一体?それが洗脳を暗に指していることはわかるが、肝心な部分が見えてこない。だが今大切なことは、その洗脳を受けた者が、彼女の様に心まで操られた人形となってしまうことだ。のみならず、日常的には何ら変化を認められず、周りの人間はそれに気づくこともない。この男の野望を止めるために、今の私には何ができるのだろう。
「そうそう、実はもう一人紹介したい男がいましてな」
悪の権化は私をきつく抱き寄せながら、指をパチンと鳴らす。思えばこの部屋を使うことも、彼の計画のうちだったのだろう。黒いタキシード姿の巨漢は、隣室からすぐに現れた。
「御存じでしょうが、改めて紹介させて頂きましょう。彼の名は南雲隆介、我が生徒会で庶務を務め‥」