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鳳学院の秘密
【学園物 官能小説】

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第6章 狂宴-16

 かつて私のことをしおりんと呼んだ、橘沙羅はもういない。今聞いているのは、九条に操られている人形の言葉なのだ。快活にインタビューをしてきた姿を思い浮かべると、涙が溢れそうになる。
 「‥直哉様の後をつけ、売春倶楽部のアジトを見つけたのですが、浅はかなあたしは手の内で踊らされていた事に気付かず、捕まってしまいました」
 後悔が胸をさらに締め付ける。私は事件を早急に解決することで彼女達の身を守ろうと考えていたが、それは誤りであった。今となっては後の祭りだが、無理矢理にでも身柄を拘束し、保護すべきだったのだ。報道部が大人しくしていると思っていたわけではないが、活動するにしても綾小路家の調査部に及ぶべくもなく、一日二日ではろくな成果もあげられまいと思っていたのだ。それに彼女達とて馬鹿ではない。周りが敵だらけの状況では、行動するにしても慎重になるだろうとたかをくくっていた。だが私の思惑をあざ笑うかのように、九条はやすやすと報道部を手中に収めてしまったのだ。
 「‥それから、あたしは直哉様に犯されました」
 心臓が凍りつくような衝撃に、息が詰まる。彼女は自分が辱めを受けたことを、まるで本でも読むように、淡々と述べたのだ。これほどまで完全に心を支配するとは、一体彼女は何をされたのか。いや、それより、私も同じように洗脳されてしまったら、彼女のようになってしまうのだろうか。そうなってしまったら、この男は私の身を汚すだけでなく、綾小路家の力を自らの野心のために利用するだろう。そんなことは断じて許すわけにはいかない!
 「ふふ‥ははははっ、おい橘、その時のことをもっと詳しく話せよ」
 さも愉快なことのように、九条はくだけた口調で命じると、爽やかさのかけらもない卑猥な笑みを浮かべる。橘沙羅は彼の言葉に頷くと、近くから腰ほどの高さのテーブルを運んでくる。そしてテーブルに上体を預けると、こちらに向かってお尻を突き出してきた。
 健康的な素足が付け根までさらされ、短いスカートから、黒いランジェリーに包まれたお尻が覗いている。彼女は背中越しに振り返ると、九条に見せつけるかのようにお尻を揺すって見せる。
 「直哉様はテーブルの上に這ったあたしから、パンティを脱がせました」
 甘えるような声でそう言うと、彼女はスカートをめくり上げ、下着に手を伸ばす。親指に引っかけてするすると引き下ろし、腿の中程で手を離すと、黒い薄布は足首に絡まった。桃のような可愛いお尻が目の前で揺れ動き、こんな間近で同性のお尻を見たことなどあるはずもなく、心臓がせり出す様な圧迫感を覚える。こうやって媚態を見せる事でセックスを意識させ、薬の虜にするのが彼の思惑かしら。ドキドキする鼓動を抑えられず、胸が苦しくなる。
 「とっても怖かったです。お尻を揉まれたり、舐められたりして‥、あたしその時は震えてました。でも‥直哉様は後ろからあたしの中に入ってきました。初めてだったから本当に怖くて、それにすごく痛かったので、悲鳴をあげちゃいました」
 惨めな敗北感が胸に沁みわたる。彼女が綺麗な身体でいるとは思っていなかったが、こんな辱めを受けていたなど信じたくなかった。上ずった声の告白を続けながら、彼女は見えない男に犯されてるかのように、腰を振りたくる。気持ちが伝染するように、私も熱い疼きを覚えるが、必死でその思いを否定した。


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