第27章 別れてなんて言わない。2番目で良いの-2
昴が目を瞑るとポットにお湯が注がれる音が聞こえてきた。ほのかな香りが昴に届く。
「この香りは何だろう?フルーツ?マスカットのような・・・どんどん強くなって・・・ジンジャー、ビーチ・・・!!!!!」
むせるような女の匂い
ぷに!
唇に柔らかいものが
「な!」
口を開くと同時にぬるりとしたものが滑り込んだ。
「んぐう!」
綾乃に舌を絡みとられ、押し倒される。反射的に綾乃の体を押し返そうとする。
むにゅう!
「っな!服がない!てか、生乳!!!!!」
「好き!めちゃくちゃにして!!!!!」
「めちゃくちゃって、ん、んぐううう!」
再び唇を塞がれる。裸の体に触れることもできず、なすがままにされる。あまりにも激しいキスキスキス。そして、キスキスキス。
「ん、んん・・・んんん・・・んん・・・」
綾乃が昴の手を取り豊かな胸に押し付ける。
「う、うわ!やわらか、って、ちょっと待て、綾乃!」
「好きなの!どうしようもないほど好きなのよ!イケないことだと分かっているの。でも、どうしようもなくて。三蜂さんと別れてなんて言わない。2番目でいいの!」
「2番目なんて、そんな馬鹿な!」
「男の子だもの、エッチなこといっぱいしたいでしょう!どんなことでもさせてあげる!三蜂さんには恥ずかしくて言えないようなことを、綾乃の体ですれば良いの。綾乃を可愛いと言ってくれたじゃない。綾乃の無垢な体をおもちゃにすればいいの!」
「待て綾乃、落ち着いてくれ!」
「落ち着いてなんかいられない!思い詰めて死ぬことまで考えたのよ。中途半端でなんか終われない!」
人一倍、自分を律する綾乃が、思い詰めてここまでのことをしたのだ。むげに拒絶したりすれば、命を絶ちかねない。
「2番目がダメなら、一度だけ私を抱いて、そしたら、その思い出を抱いて・・・誰にも言わないから、三蜂さんにも絶対に悟られないから・・・」
「まてまて、めったなことを考えちゃダメだ!」
「毎日、八蜜くんのことばかり考えてしまうのよ。それも嫌らしいことばかり。キスをしたり、裸で抱き合ったり・・・彼女がいる人だと、諦めなさいと何度も何度も自分に言い聞かせるの。そんな自分が嫌で嫌で仕方ないのに、気がつけば自分の体に手を伸ばしているのよ。ああああ、もう、いやああ!!!大好きな八蜜くんにこんなことまでして、私まるでストーカーじゃない。私は頭がおかしいのよ。嫌よ、いやあああ!」
「落ち着け!綾乃はおかしくなんかない。人を好きになると誰しもそうなる。キスや裸で抱き合うぐらいのこと誰だって考える。僕だって、そうだ!」
「私は普通じゃないの、もっと凄いことを考えるの。恥ずかしくて口にできないような嫌らしいことでで頭がいっぱいになるの。変態なのよ。八蜜くんに迷惑を掛ける前に死んだほうがいいのよ!」
「違う!そうじゃない!僕だってそうだ!僕も綾乃と嫌らしいことを頭に浮べて自分でしたことがある!綾乃は変態なんかじゃない!」
嘘ではなかった。先日、ひたぎに問い詰められた時に、ひたぎが例え話しとして上げた綾乃達との激しい行為が耳に残り、その夜、自分の体に手を伸ばしてしまったのだ。
「嘘!」
「嘘じゃない!」
「本当なら、どんなことを頭に浮かべたのか言える?」
「そ、それは・・・」