もう一つのクライマックス-5
長く何度も続いたケンジの反射がようやく落ち着いてきた頃、真雪はケンジの手首に巻かれていたタオルを解いた。
「ごめんね、ケンジ、痛くなかった?」
「平気だ」
解放された手で、ケンジは真雪の両頬を優しく撫でて微笑んだ。
ケンジはそのまま腕を真雪の背中に回して身体を抱き、ごろりと横に回転して、真雪を下にした。
「大丈夫? ケンジ」
「何が?」
真雪は少し恥ずかしそうに言った。「二回目……」
ケンジはふふっと笑った。「今日は、何だか身体の火照りが冷めにくいな」
「そう?」
ケンジは静かに真雪にキスした。それから自分のペニスを真雪から一旦抜き去り、口をそっと離した。
「え?」真雪は小さく声を発した。
ケンジは柔らかく微笑むと、もう一度、硬く張り詰め、ぬるぬるになって白濁した液を滴らせているペニスを、やはりどぷどぷと同じように液を溢れさせている彼女の谷間にそっと差し込んだ。
「あ……」真雪はまた小さな声を上げた。
ケンジは真雪の谷間の浅いところでゆっくりと動き始めた。
「あ、あ……ああああ……!」真雪の息が荒くなり、再び身体を波打たせ始めた。
ケンジはそのまま真雪の入り口付近で動いた。微妙に角度を変えながら、彼は真雪の敏感な場所を余すところなく刺激していた。
「ああっ! ケンジ! ケンジ! 熱い、あたし、熱くなってる!」
にわかに真雪が激しく喘ぎ始めた。
「だめ! そこ、感じる。もう、もうだめ! あ、ああああああ!」
「ま、真雪っ!」ケンジはそう叫んでもう一度真雪の口を自分の口で塞いだ。
「んんっ! んんんっ!」真雪が苦しそうに呻く。
そのまま抜けてしまいそうな場所で、しかしケンジは激しくその持ち物を真雪に出し入れした。
びくびくびくっ! 真雪の身体が細かく震え始めた、ケンジは彼女の口から自分の口を離した。唾液が糸を引いて長く伸びた。
「ああああーっ! イく、イっちゃう! ケンジっ! ケンジっ!」
真雪の中が細かく痙攣し始めた。
突然ケンジが叫んだ。「あ! ま、真雪、真雪っ! 何だこれっ!」
ケンジは慌てた。挿入したケンジのものが、真雪の内壁の激しい蠕動(ぜんどう)運動によって、奥へ奥へと吸い込まれていく。
「うわああっ! 真雪っ! 真雪っ!」
ケンジのものは、一気に真雪の最も深いところへ吸い込まれ、抜き差しならない状態で強く締め付けられた。それでもまだ中の粘膜は執拗に絡みつき、ケンジを強烈な絶頂感へと導いた。
ケンジの身体はぐっと反り返り、ヒップがぴくぴくと痙攣し始めた。
「ああっ! ま、真雪! イ、イくっ! も、もうすぐっ!」
しかし、ケンジの射精はいつまでも始まらなかった。
「な、何故だ! なんでイけない?! やばい! う、うわああああーっ!」
真雪の上で、ケンジはペニスを強く固定されたまま身体を大きくうねらせ、激しくもがいた。
「ケンジっ、ケンジっ! も、もう少し!」真雪の身体もがくがくと大きく痙攣した。
「だめだ! 真雪っ、真雪っ! ど、どうにかなりそうだ! 許してくれ! 真雪っ!」
全身から噴き出した大量の汗がだらだらと流れ落ち、ケンジは激しく胸を上下させながら速く大きな呼吸を余儀なくされていた。
「も、もうダメだ! 真雪っ! イかせて! イかせてくれっ! 頼む、お願いだっ! 真雪ーっ!」
「ケンジ! イってっ!」ひときわ大きな声で真雪が叫んだ。
びゅるびゅるっ! びゅびゅっ! びゅくびゅくっ!
「ぐああああーっ!」ケンジは大声で叫び、全身をびくびくと大きく痙攣させた。
強烈な勢いでケンジの身体の中心から噴き上がったエキスが、何度も真雪の身体の奥深くに打ち付けられた。
「ケンジ! ケンジっ!」真雪はいつまでも叫んでいた。
どくっ! どくっ!
「ま、真雪っ! 真雪っ!」ケンジも射精の脈動と共にずっとびくんびくんと身体を震わせ続けながら叫び続けた。
二人の身体の熱さは収まることを知らなかった。真雪の身体の中心にある粘膜はケンジのペニスに絡みつき、それはどくんどくんとさらに大きく脈打っていた。
「真雪、ま、また、俺、うううっ!」
「来て! ケンジ! 中に! も、もう一度!」真雪は身体を震わせた。
「また来る! 真雪、真雪っ!」
全身に汗を光らせながら、二人の身体は一つになったまま大きく、激しく波打つ。
ケンジの身体の中から噴き出した液が真雪自身から溢れだした泉と混じって、二人が身体を大きく揺り動かす度に、びちゃびちゃと大きな水音をたて、まるで亀裂の入った水道管から水が溢れるようにシーツや二人の太股に液が迸り出た。
「ま、またイくっ! 出る、出るっ! うああああーっ!」「あたしもイってる、イってるから! あああっ!」ケンジと真雪は同時に叫んだ。
そしてケンジの身体の奥から、再び熱い想いが勢いよく真雪の身体の中心に贈り届けられた。
びゅるるるっ! びゅくびゅくびゅくっ!
真雪の中にいつまでも残っていた忌まわしい出来事の残渣が一気に消え去り、浄化されていった。