告白......-6
「コーヒーでも入れてくるから、俺の部屋で待ってて!」
「うん....あの....純の部屋って....」
「あっ!そうか....中に入るのは初めてだっけ?」
「うん....茉莉菜は何度か入った事があると思うけど....」
亜梨紗が俺の部屋に来たのは一度だけだった....茉莉菜が亡くなった時に、茉莉菜からの手紙と写真を持って来てくれた時だけだった。『これ茉莉菜からの手紙....それと写真....今の純君には見たくないモノかもしれないけど....アタシ達が勝手に処分していいモノでないから....』そう言って手紙と写真を手渡して帰って行った時以来だった....そういえば....あの手紙はどこにいったのだろう....封も開けないままなくしてしまった....
「ゴメン!純!」
亜梨紗が抱きついてきて
「茉莉菜の事を思い出させたね....」
そう言ってキスした。
「違うよ....俺が思い出したのは....亜梨紗だよ....茉莉菜の手紙を持って来てくれた時の亜梨紗だよ....言ったろ?俺は亜梨紗しか見てないって......」
「純......」
亜梨紗は嬉しそうに微笑んで、再びキスをした。
亜梨紗を部屋に案内して、コーヒーを入れて部屋に運んで座卓の上に並べた。
「これ食べる?」
さっきもらったチョコの包みを指差すと
「いいのかな....」
「いいって....二人で食べてって言ってたろ!あっ!でも....イヤなのかな?他の女の子からもらったチョコを食べるの....」
「ううん....そんな事ない....彼女達に悪いかなって思っただけ......」
「そう....それじゃ....」
俺は最初に姫川さんにもらった包みを開けた。大きくハート形にかたどられたチョコの上に、大きな文字で"義理"って書かれていた。
「大きな義理チョコだね!」
亜梨紗は可笑しそうに笑っていた。
「そうだね!」
俺も思わず笑ってしまった。
「こっちはどんなのだろう....」
笑美ちゃんからもらった包みを開けると、ブラウニーが出てきた。
「それ....何?クッキー?」
「ブラウニーだよ!チョコレートケーキの一種なんだよ!歩きながらも手に持って食べられるように考えられたって聞いた事あるけど....」
「ふうん......」
「食べてみる?」
「いいの?」
「ああ....ほら!」
ひとつつまんで亜梨紗の口に運んだ。
「美味しい事は美味しいんだけど....もう少し甘いほうが好きだな....」
「そう?」
俺もひとつ口に運んでから
「俺はこれくらいが好きだけど......よし!ちょっと待ってて!」
俺が部屋から出ようとすると
「あっ!そんな意味で言ったんじゃないから!」
亜梨紗が慌てて俺を引き止めた。
「いいから!どうせなら美味しいほうがいいだろ!」
俺はホイップクリームを泡立てて持って行った。
「亜梨紗!これをつけてみな!」
「うん....ありがとう....」
亜梨紗はブラウニーをクリームにつけて食べると
「美味しい!純ってやっぱり天才だね!
「煽てたって何もでないぞ!」
「別にいいよ!本当にそう思っているんだから!」
亜梨紗は隣に座った俺の肩に頭を預けてきた。
「はい!」
亜梨紗は姫川さんが作ったチョコの欠片を唇に挟んだ。
「えっ?」
照れている俺に
「ん!」
早くしてとばかりにせがんできた。俺はキスして受け取るとそのままキスを続けた。二人の口の中でチョコが溶けて甘い味が広がった。俺が亜梨紗の胸に手を当てると
「待って....シャワーを浴びてから....」
「うん....ゴメン......」
亜梨紗を浴室に案内して、バスタオルを用意してから部屋に戻って、ベッドに腰掛け亜梨紗を待った。