運命の転機-1
第七ノ章【運命の転機】
「やだ、ごめんなさい」
慌てたお満が詫びるのを手で制し、瓶之真は目の前で失神する4人の男を一瞥した。しかし瓶之真には誰が悪漢で誰が弟なのかは直ぐにはわからなかった。
「ううっ、この量は何としたことか…」
毎日シコシコと嗅いでいる匂いなので、失神している男達の股間から垂れる液溜まりが、精子だと直ぐに気づいた。しかも普通では有り得ない程の大量な量だ。
中世から近世に掛けての日本のこの時代、狐狸や妖(あやかし)が日常的に跋扈していた。
その時代背景でこの状況を普通に考えると、4人の男達は悪漢でなくて反対に被害者に見える。それよりもお満の方が男の精を吸い取る狐狸や妖だと考えた方が普通だ。特に狐狸は美しい女に化けるのがこの時代の常識だった。
さらに瓶之真の修行者たる鋭敏な感覚は、この世に在らざる『異』として、お満から僅かに漂うお敏の快感の残滓を感じ取っていた。
瓶之真は過去の厳しい修行に於いて、幾度とこの世に在らざる者達と遭遇し、命と魂のやり取りをした事が有った。
それら悪霊悪鬼どもは、瓶之真の気合と共に繰り出す居合の抜き打ちで悉く退けてきた。しかしこの時の瓶之真はお満を退治しようとは思わなかった。
何故なら、例え悪霊悪鬼、狐狸や妖であろうが構わない、瓶之真は妄想の中で出会った美しいお満と一発やりたくて仕方が無かったのだ。
(退治したら一発できないし〜)
なので、瓶之真はお満の頼まれるまま、「これ」と指差した竿之介を抱え上げると、木戸を潜りお満を中に招き入れた。
取り敢えず木戸から近い道場に入って竿之介を下ろした。瓶之真は意識の無い竿之介を座らせると、背に手を当てて気合を込めた。
「か――――――――――つ!」
その大声にお満は可愛い目をギュッとつぶり、竿之介はビクリと動いた。
「うううっ、こ、ここは?」
竿之介の声にお満は可愛い目を開いた。
「きゃ―!気づいたのね」
キョロキョロと辺りを窺う竿之介に、喜んだお満は抱きついた。
姉の胸のムニュムニュとした柔らかな弾力、更に雌の匂いを嗅いだ竿之介のイチモツが一気に復活した。そのイチモツは敏感なお満の卑猥な割れ目をグイグイと刺激した。
「はあん」
お満は恍惚の表情を浮かべてのけ反りかけたが、瓶之真の視線を感じて辛うじて踏み留まった。
「おほほ、ほほほ」
お満は上気した顔を笑って誤魔化した。そして瓶之真から見えないように体をずらして、竿之介のイチモツを袴の上からピシリと叩いた。
「もう、わきまえなされ」
「あううう…」
「あっ、ごめん痛かった…」
経験の浅いお満は、その呻きが苦痛によるものだと思って反省した。
しかし、達人たる瓶之真の五感は誤魔化せない。竿之介の呻き声に恍惚の要素が含まれていることを聞き逃さなかった。
(むむう。それがしも頬をではなく、イチモツを叩いて欲しかった…)
瓶之真は自身の半勃ちのイチモツを軽く叩くと、お満から受けるその刺激を想像して顔を赤らめた。