第5章 教育-35
正門へ向かう道すがら、夜の校内を一人歩き、学院の将来を憂う。私がこれからやろうとしていることは、学院の名誉を大きく損ねるもの。だが、自浄作用を示してこそ、日本の将来を担う人材を育成する、学び舎としての存在意義が守られる事でしょう。
明日、九条直哉を逮捕、告発すれば、学院の不正は終わりを迎え、鳳学院が名誉を取り戻す、険しい道程の第一歩が始まる。正門前でもう一度校舎を振り返り、文化棟の慣れ親しんだ生徒会室を、今は悪の温床と化した九条直哉の執務室に厳しい視線を送り、学院を後にした。明日、全てを決するために。