どこにでもある ただ ちいさなおはなし1-3
この永い冬を終わらせる事が出来ないのかと、五大国家の代表は何度も集まりその度に国中の捜索が行われた。
いくつもの島々から成るこの世界には100ほどの国があり、各々は大きな島を所有する国に属していた。
捜索はそれらの小さな国でも行われたが、何も見つからず毎度空振りに終わった。
代表はその度に肩を落とし、また内心安堵していた。
もし何処かの国が自分達より早くその方法を見つけたら今までのバランスが崩れる。
その国は何処よりも強く尊い権力を持つだろう。
しかし、世界にはまだ誰も行った事の無い場所がひとつだけ存在した。
何度人をやってもどうしてもいけないその場所は世界の中心に位置しする大きな島だった。
その島を目指せば目指す程、船は航路を外し、飛行船や気球、有翼族さえも近づけず、霧に阻まれてしまっていた。
確かにそこにあるのにそれは遠く、どの国からも見えるのに入れない。
世界の中でそれはもはや禁句となっていた。