どこにでもある ただ ちいさなおはなし1-18
オギアスと呼ばれた少年は座っていた倒木から立ち上がりそしてガクリと膝を着きました。
少女はただじっとその様子を心配そうに見つめています。
オギアスの頭の中に記憶が次から次へと流れ込みます。
それはあまりにも膨大で小さな脳には入りきらないほどでした。
その内に彼は目を見開いて唸り自分の体を抱きしめました。
かたかたと震え続ける体は治まりません。
「僕は……僕…」
目から涙が伝っていました。
あの時全て終わらせたはずなのに、どうして戻ってきてしまったんどろうと。