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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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届かない想い-2

「資格……?」


その意味がわからずに、あたしが眉間にシワを寄せて難しい顔で考えていると、久留米さんは、


「俺のせいで、アイツ等はあんな結果になっちまったんだ」


と、言って膝の上に戻された手をグッと握り締める。


その手は白くなるほど強く力が込められていて、微かに震えていた。


いつも落ち着いて感情の起伏なんてほとんどなかった久留米さんが、自分を責めている様子に、なぜかあたしはソワソワ落ち着きを無くしていった。


アイツ“等”ってどういうこと……?


なおも黙ったままのあたしに向かって、久留米さんは続けた。


「その写真に、もう一人チャラそうな奴が写っているだろ?」


彼に言われ、もう一度フォトフレームに視線を戻し、久留米さんの言う“チャラそうな奴”をまんじりと眺める。


少し長めのショートヘアーがワックスなんかで無造作にセットされた、小さな顔に大きな瞳をした、端正な顔立ちの男の人。


あたしのタイプではないけれど、カッコいいし明るそうだし、女の子にモテるんだろうなという印象を受けた。


「そいつが、本当の彼氏だよ」


「え?」


驚いて久留米さんを見上げると、彼はこちらを見ないまま、口を開いた。


「前に飲んだ時、友達の彼女に手を出してしまった前科があるって言っただろ?

その友達ってのがコイツなんだ」


「……そうだったんですか」


きっとそれが原因で、この3人に亀裂が入ったんだろうか。


ふと、写真の中の久留米さんの笑顔が悲しく見えた。





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