第1章-男と少女--5
「…私を
監禁してくれませんか?」
蚊の鳴くような
か細い声で少女は言った。
「監禁?…俺が?」
しゃがんで問い掛けると
少女は頷いた。
拓矢が考え込んでいると
“くしゅん”と
まるで猫のような
可愛らしいクシャミが聞こえ
「はははっ」
拓矢はつい、笑いが零れた。
「な、なんで笑うんですかぁ‥」
拗ねたように少女が問う。
「いや‥子猫みたいで
可愛かったからさ」
「う〜…
からわかわないでください…」
ぷうと頬を膨らます少女に
また口許が緩む。