前戯-1
▼
「さてと、」ミカがベッドの傍らにあったソファのセンターテーブルに、空いたビール缶を置いた。「適度に酔ったことだし」
「って、母さん夕食の時も結構飲んでたし、そんなの『適度』って言うのかよ」
「あたしにとっては適度なんだよ」
「わかったわかった」
「それにさ、少し酔ってた方が、感じやすいんだ。龍はどうだ?」
「そうだなー……。俺、未成年の時期に、何百回って真雪と繋がったから、素面(しらふ)でも十分感じるけど……。まあアルコールが入ると、ちょっとぽわんとなっていい感じに温まりはする」
「何百回なー……。そう言われると、なかなか赤面モノだな。おまえらそんなにやりまくってたのか」ミカは今更ながら実際に赤面していた。
「父さんも初体験の高二から、マユミ叔母さんと何度も繋がってたんでしょ? それこそ数え切れないほど」
「らしいね。親子とはいえ、よく似てるな、おまえら。でもおまえの初体験は中二の時じゃないか。ケンジよりずっと早熟だぞ」
「相手が真雪だからね」龍は笑った。
「おまえが生まれた時からの付き合いだからな。で、龍、」
「なに?」
「次のステージは、フェラとクンニだが」
「そうだね。流れ的にそうなるね」
「おまえ、舐めるのは得意なのか?」
「任せて。こないだクンニの名手修平さんに伝授してもらった」
「修平はクンニの名手なんだ」
「うん。修平さん、いつも夏輝さんをそれで激しくイかせてるらしいよ」
「へえ!」
「相当すごいらしい。もはや彼の唇と舌は、本来の機能を超えた器官だって夏輝さん言ってた」
「ほんとかよ」ミカは笑った。
「でも、俺、彼みたいにうまくできるかわからないな。ちょっと自信なくしてきた。百戦錬磨の父さんにいつも気持ち良くさせられてる母さんには物足りないかも」
「そんなことないよ。息子にしてもらう、っていう要素が加わって、別の意味で燃えるだろうさ」ミカは龍の頭を撫でた。
「横になって、母さん」
ミカはゆっくりとベッドに横たわった。「楽しみだね」
龍はミカに覆い被さり、軽いキスの後、身体を滑らせながら唇を彼女の鎖骨、乳房、腹へと移動させていった。そしてぴったりと肌に張り付いた小さなショーツを脚から抜き取り、豊かな茂みに顔を埋めた。彼はそのままミカの両脚を抱えてゆっくりと開かせた。
「ああ……」ミカは熱いため息をついた。
龍の口がミカの秘部にそっと押し当てられ、彼の舌が谷間に挿入させられたとたん、ミカは激しく身体を硬直させて震えた。「あ、あああっ! りゅ、龍!」
それから龍の舌は、まるで別の生き物のようにミカの中心で激しく動き回った。クリトリスを吸い、唇でヒダを挟み込み、さらに深い所まで舌が挿入され、何度も敏感な場所を刺激した。
「あああ! 龍! も、もうだめ! イってる! あたし、ずっとイってるっ! あああああっ!」
びくびくびくっ! ミカの身体はずっと大きく痙攣していた。全身に汗が光っている。そしてそれ以上に彼女の身体の奥から湧き出した泉が、龍の口も、シーツもたっぷりと濡らしていた。