ホテル-3
「俺、マユが初めての相手だったけど、女の子のカラダの神秘をいろいろと教えられたよ」
「カラダの神秘?」
「一番衝撃的だったのは、全身が性感帯になる、ってこと」
「衝撃的?」
「俺さ、初めはマユのおっぱいや大事な部分にばっかり熱心になってた」
「まあね。高二男子だったらそんなもんでしょ」
「でも、首筋も、耳たぶも、くるぶしも、全部感じてた、マユ。どこを触っても、舐めても気持ちいいって言ってた」
「それは相手のやり方次第なんじゃない? 触り方や舐め方の問題だよ」
「うん」
「それに絶対条件は、相手が心を許せる人だってことだよ。うん。これは絶対」真雪は念を押した。
「そうだな。その通りだ」ケンジはうなずいた。
真雪はケンジの手を握った。
「ケンジおじは、ママのおっぱい、好きだった?」
「今でもな」ケンジは笑った。「やっぱり、何だな、オトコってのは、赤ん坊の頃に食欲を満たしてくれたそれには、強烈な愛着を持ってるってもんだ」
「えー、そんな理由?」
「マユやミカのおっぱいに顔埋めてると、心から癒されるんだ。絶対すりすりしたくなる」
「龍といっしょだ」真雪も笑った。
「だから、おまえのように大きくて最高級のおっぱいだと、きっと思いっきり癒されるな」ケンジは真雪の乳房にそっと小指を這わせた。
「でもね、板東はブラを外しても、その時あたしの胸には指一本触れなかったんだよ」
「そうなのか?」
「結局早く入れて、溜まってたものを出したかったんだよ」
「なるほどな」
ケンジは真雪のしっとりと湿ったショーツをゆっくりと脱がせた。そしてそっと舌を彼女の谷間に這わせた。
「ああっ、ケ、ケンジおじ……」真雪はまた大きく身体を揺らした。「は、恥ずかしいよ、あ、洗ってないし、何だか……」
口を離してケンジは上目遣いで言った。「俺がきれいに清めてやるよ。任せろ」そしてまた舌を這わせ始めた。
ケンジはそのままずっと舌で谷間とその入り口にある小さな粒を柔らかく舐めた。真雪の身体の中で熱い奔流が渦巻きはじめ、それはまもなく一気に表面に噴き出し始めた。「あああああーっ!」
真雪の身体が大きく震え始めた。「イ、イっちゃうっ! もうすぐイっちゃうっ! ああああーっ!」
ケンジは舌でずっとクリトリスをデリケートに転がしながら、右手の中指と薬指をそっと谷間に深く差し入れた。そしてわずかに震わせながら、内壁をゆっくりと柔らかく押したり撫でたりした。
「ああああーっ! イ、イくっ!」がくがくがく……。真雪はしばらくの間、大きく痙攣していた。
やがて真雪はぐったりとその身体から力を抜き去った。
顔をあげて、ぬるぬるになっていた口を拭って、ケンジが訊いた。「イけた? 真雪」
真雪は大きくうなずいた。「も、もう、すごいよ、ケンジおじ。こうでなくちゃね」
ケンジは真雪の横に同じように身体を横たえ、軽くキスをして真雪の髪を撫でた。
「板東はおまえをイかせてくれなかったのか?」
「うん。キスも気持ちよくなる前にやめちゃうし、っていうか、あいつのじゃ気持ちよくなんかなれっこないけど。それにクンニも申し訳程度、って感じだった。とりあえず奉仕してあげます、って感じ。舐め方も単調。指の出し入れも乱暴で痛いだけだった」
「女性の扱いには慣れてたはずだろ? だって、何人もの実習生を引っかけてた男だったわけだし」
「どうなのかな。いつもそうしてたんじゃないの? 自分のことしか考えないやつだし」真雪は肩をすくめた。「ただ、あたし、気持ちは全然盛り上がらなかったけど、酔ってたし、身体への刺激をその時は欲しがってたから、あの男のそんな行為でも、とりあえず身体は熱くなってた」
「そういう無骨なやり方でも、真雪の身体は反応してたんだ」
「それもきっとお酒のせいだね。でも、イけなかった。あとちょっと、って時に、板東はそれをやめたんだ」
「真雪をイかせたくなかったってこと?」
「たぶんあの男にはわからないんだよ。オンナがイくってどういうことなのか。結局相手をよく見てないってことなんじゃない? あたしイってもいないのに、『イっちゃったんだね、かわいいな』なんて言ってたし。相手がどんな感じ方をしてるか、ってことを気に掛けることなんて、やったことないんじゃないかな」
「自分だけ気持ちよくなればいい、って感じだな」
「だよね。絶対そうだよ」真雪はケンジの目を見て口角を上げた。「ケンジおじも、イきたいでしょ? そろそろ」
「え?」
「だって、もうはち切れそうになってるよ」
ケンジは慌てて下着越しに股間を押さえた。