母の心残り-5
『あっ、待ってたもれ』
お敏はもう娘の破廉恥な言葉を咎めはしなかった。そんな余裕の無いままその姿を霧の中に埋もれさせていった。
「あっ、母上、何処へ行かれたか?」
背中がゾクリとして、お敏の姿が急に見えなくなったので、お満は着物を肌蹴たままキョロキョロと辺りを窺った。すると突然お満の頭の中でお敏の声が響いた。
【ここに居りまする】
「何と面妖な、お満の頭の中で母上の声が聞こえまするぞ」
【無事に取り憑けました。ああん、熱い、お満のおまんこがウズウズしておりまする。早う弄って下され、早う早う】
自らの肉体に縛られない【想念】の存在のお敏は、お満が肉体を通して脳に伝わる感覚よりも、遥かに多くの感覚を味わうことが出来た。
その結果、肉体を持つお満自身の認識できない感覚もわかるのだ。お敏はしばらく前にお満が弄った秘部の感触の余韻を感じていた。
「あれ母上、なんと破廉恥な」
【ああ、母としたことが、恥ずかしや】
「ほほほ、もそっと正直になりなされ。でも取り憑いたならば、お満の体を母上の意思で動かす事は叶いませぬのか?」
お満は取り憑かれると体の自由も奪われると思っていた。
【よくは知りませぬが、それは『恨み』で取り憑く場合に限るそうです。母の様な『未練』では取り憑いたならば、その体に意志があれば自由に操れませぬ。お満の体を操ろうと思えば、お満が寝ている時か、気を失った時のみです】
「へえ、じゃあこのまま何もせずに生殺しをしちゃおうかなあ」
お満は一旦肌蹴た着物の襟を再び併せた。
【な、何と意地悪な…】
「ほほほ、嘘ですよ。では、いたしまする。先ずは乳先からにございまする」
お満はそう言うと、着物の併せを肌蹴て、16歳にしては豊かな胸を晒した。そして自らの指で桃色の両乳首摘まむと、クリクリと捏ねだした。
「あっ…」
【あああっ】
前述の通りに、想念の存在は実体のあるお満よりも多くの快感を得る事が出来る。お敏にとっては美味しい事だ。
お満は一方の乳首を弄りながら、もう一方の手を股間に伸ばした。軽く添えただけで淫らな部分に蜜が溢れているのがわかった。お満はその蜜を中指の指先に絡めるように、淫口の入口をなぞり出した。
「はあん」
【ああああん、す、すごい、ああああ】
お敏は今まで味わった事の無い快感に、恥ずかしげもなく娘の脳内で喘いだ。
自分の破廉恥な行いで興奮する者の存在に、お満自身も興奮した。例えれば見られて興奮する性癖に似ていた。
(ああん、破廉恥なところを見られてるみたいなあ)
お満は母親を悦ばすために、そして悦んだ母親を感じて自らも興奮するために、さらに淫らな行為を進めていった。
蜜の絡んだ指先を少し上へずらして秘豆に宛がった。そして秘豆に蜜を付けるようにチョンチョンと指先で刺激した。
「ああん」
【いやあああん、やああん、いい、いい、あああん】
「はあ、はあ、は、母上も気持ちいいのですか、はあ、はあ」
【うう、いい、いい、気持ちいい、ああああん、すごおおい、あああん】
「はあ、はあ、ならば、これはどうです、はあん」
お満は秘豆を指先で押さえ、円を描くようにゆっくりゆっくりと擦りだした。
「あっ、あっ、あっ」
【やあああん、やああああ、だめえええ、ああ、あああん】