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鳳学院の秘密
【学園物 官能小説】

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第3章 調査-5

 放課後は医務室に赴き、彼女の足取りを確認しよう。真相に迫ることに不安を感じながらも、私は暗い気持ちで決断した。


 お昼御飯を手早く済ませ、学院内の喫茶店『飛鳥』に来たのは、副会長、桐生早紀がここでお昼を過ごすと言うリサーチからだった。
 今回あたしの任務は、彼女からできるだけ情報をひきだすこと。あのお固いインテリ眼鏡が売春組織の一員とは考えにくいけど、人を見かけで判断するのは間違いの元。瀬里奈も今、屋上で新城先輩と話しているはずで、今後の方針はこのインタビューの結果次第となる。
 気を引き締めて、軽快なジャズが流れる店内に足を踏み入れるや、いきなり入口近くのテーブルから声がかかる。
 「おや珍しい、橘さんをここで見かけるのは初めてですな」
 あっ、ムーチョ。それに桜井ちゃんも。
 ムーチョこと国語総合の武藤先生と英語の桜井先生は、テーブルの上に資料を広げ、何やら打ち合わせをしているようだった。
 んも〜!せっかく気合を入れて乗り込んできたのに、いきなり出鼻をくじかれて、ちょっとがっくり。でも文句を言うわけにもいかないわね、挨拶くらいしていこう。
 「武藤センセ、桜井センセ、こんにちは〜。いつもここでお昼とってるんですか?」
 「忙しい時期はそうですな、それにここの珈琲は食堂のよりお勧めですぞ」
 「そうなんですか〜、でもあたし苦いの駄目だから砂糖たくさん入れちゃいますよ」
 「これこれ、本当に旨い珈琲と言うのは、まず一口目をブラックで味わい‥」
 しまった、珈琲好きに余計なこと言っちゃったかな。って言うかムーチョと話すとつい和んじゃう。いつもならいいけど、今は作戦行動中。ここは戦術的撤退といきますか。
 「センセ、あたしちょっと用事があるので‥」
 にっこり笑顔を浮かべたままこっそり後ずさるが、目ざとい桜井ちゃんがしっかり釘をさしてくる。
 「橘部長、報道部の記事提出期限も近いですよ。今度はぎりぎりにならないようにしてくださいね」
 「は、は〜い」
 やばっ、すっかり忘れてたわ。でも今のあたしたちはそれどころじゃない。先生達にバイバイと手を振り、店内を見渡し索敵開始。いた、二時の方角に目標を発見。いざ突撃〜!
 窓際の明るい席で、インテリ眼鏡はノートパソコンを開き、何やら作業中の様子。いつも食堂で見かけないと思ったら、こんな所にいたのね。傍らにはムーチョお勧めの珈琲と、半分ほど手をつけたサンドイッチの包み、そしてケースに入ったDVDが数枚置かれていた。
 「桐生さん、ちょっといいかな〜」


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