こいのぼり・ゆらゆら-1
青葉繁れる 河の瀬の、
ほとりに揺れる こいのぼり
『大きい真鯉はお父さん』
子供の声に振り返り、
その先に見た、君の顔
太くて黒い、君の腕
息を止めた五月の夜。
さよなら告げた三日月に
今も私は立って居る。
君の腕はもう他の、
白い腕が絡まって、
遠い雑踏へ消えてゆく
嗚呼、どうぞこれからも
幸せ君に降りますよう
私はこれから風に舞う、
鯉に乗って帰ろうか
鯉に乗って帰ろうか。
満月浮かぶあの空へ。