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Betula grossa
【ラブコメ 官能小説】

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嫉妬......-4

「えっ?もしかして純君には才能があるんですか?」
「ええ....こっちが嫉妬するくらいに......チョコに関しては魔術師レベルよ......純が作ったザッハトルテなんかウィーンでも食べられないわよ......」
そう言って大きなため息をついた。
「ところで純、こちらさんとはどういう関係なの?」
「俺の彼女とその友達!」
「ふぅん....で、どちらが彼女なのかな?」
「綺麗な方だよ!」
「えっ?」
店員さんは私達をマジマジと見て
「で、どっちなの?」
「だから綺麗な方だって......」
「わからないから聞いているんでしょ!」
「カズ姉がそう思う方に挨拶したら?」
「もし間違ってたらどうするのよ!あんたのお嫁さんになるかもしれないんでしょ!そうなったら一生言われかねないでしょ!」
「お嫁さんって......」
純はおもいっきり照れていた。
「仕方ないな......こっちが俺の彼女だよ!カズ姉!」
「美浦亜梨紗です....」
私が頭を下げると
「やっぱり....そうじゃないかと思ったのよね!」
「調子いいなぁカズ姉は!」
「へへへ....」
店員さんは照れ笑いを浮かべていた。
「ねぇ?アタシ、姉がいるって聞いてないんだけど....」
「ああ......」
店員さんは勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「カズ姉は俺の姉じゃないんだ!お袋の妹で俺の叔母......こう見えても......」
「その先を言うと殺す!」
店員さんは純を睨んでいた。
「ハハハ......というわけだ......」
「そうなの......アタシは純の姉さんだと思ってた....」
私が呟くと
「あら....亜梨紗ちゃんは正直ね!将来"妹"になるかもしれない子からお金はもらえないわね....そちらのお友達の分もお代はいいわ!」
「アタシはそんなつもりで.......」
「わかってるわ!亜梨紗ちゃんは素直ないい子だって!」
「おだてられて高い木に登ったみたいだ......」
「あら?純ちゃんはお休みが要らないみたいね!14日まで休み無しになるから今日は特別に午後からデートの時間をあげようと思ったんだけど要らないみたいね!」
「お姉様はご冗談がお好きですね......そういうご冗談ばかり言ってらっしゃるとせっかくの美貌が台無しになりますよ!お姉様!」
「仕方ないわね....今日は午後から休みをあげる....そのかわりいいわね!」
「ありがとう!カズ姉!......で、休みをもらったんだけど....予定は?」
「えっ?午後からはレッスン......」
残念だが仕方なかった....
「なぁ......見に行ったらダメかな?」
「えっ?」
「あのさ....俺....亜梨紗のピアノ....聞いた事ないから....ダメかな?」
「き....聞いてみる....」
私は携帯を取り出して
「あっ!叔母さん?実は......」
電話を切ると
「いいって......」
「良かった!待ち合わせはどうする?」
「1時に駅前......」
「わかった!1時に駅前たね!」
私と瑞希は純と別れてお店を出て、軽く食事をした後、純との待ち合わせ場所に向かっていた。
「良かったね!純君とデートが出来て!」
「まあね!しかし、これどうしよう......」
「問題でもあるの?」
「だって....これ純が作ったヤツだよ....彼氏に彼氏が作ったチョコを渡せっていうのか?なんか抵抗あるだろう!」
「じゃあ....自分で作れば?」
「そんなの自殺行為だろ!」
「だったら....エンジェル・キスしかないんじゃない!」
「エンジェル・キス?」
「うん!亜梨紗が口移しでチョコを食べさせてあげるのよ!」
「そんな事出来るわけないだろ!」
「そうなの?」
「あたりまえだ!」
「他に女体盛りってのもあるんだけど....」
「瑞希!」
私が握り拳を見せると
「冗談よ!冗談!」
そう言って私から逃げようと瑞希が振り返った時、横から走って来た女の子とぶつかった。


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