嫉妬......-13
「だったら私が殴ってやる!お前の気がすむまでコイツを殴ってやる!」
香澄さんは私を純から離して、純の胸座を掴み
「お前は自分が何をしたのかわかっているのか!」
そう叫び殴りかかった。
「ダメ!香澄さん!」
気づくと私は香澄さんの右手にしがみついて香澄さんを止めていた。
「香澄さんの手だって人を綺麗にするためにあるの!殴っちゃダメ!」
そう叫んでいた。
「だったら許してやれ!お前もわかっているんだろ?お前とつき合う前の事だからコイツを責められないって!」
私は頷いていた。
「でも!でも!でも!自分を抑えられないんだ!」
香澄さんは優しく私を抱きしめて
「可愛いなお前は....嫉妬で自分を抑える事が出来ないくらいにコイツの事が好きなんだな....」
「うわぁぁぁぁぁぁ....」
私は声をあげて泣いた。香澄さんはそんな私を抱きしめていてくれた。
しばらく泣き続けた後、私が泣き止むと
「少しは気が晴れたか?」
香澄さんはそう言って微笑んでくれた。
「お願い....純と二人きりにして....二人きりで話をさせて....」
「亜梨紗?大丈夫だよね?」
姉が心配そうに声をかけた。私が頷くと姉は香澄さんと梓さんを外に出るように促した。梓さんは気にして外に出るのを躊躇っていたので、私は梓さんの体を押して外に出し
「負けないから!絶対に負けないから!」
私は梓さんを睨みつけて玄関の扉を閉めて鍵をかけた。
「亜梨紗?本当に大丈夫だよね?」
姉が心配そうに話しかけてくれた。
「うん......」
そう答えたが姉に届いたのかはわからなかった。
亜梨紗が玄関の扉を閉めた時、俺は壁にもたれかかって廊下に座り込んでいた。何も考える事が出来ず、言い訳すらも浮かんでこなかった。俺の傍まで歩いて来た亜梨紗は俺を跨いで冷たい目で俺を見下ろしていた。
「なんで何も言わないのよ!」
「.........」
「言い訳も出来ないくらいに梓さんが好きって事?」
「......違う......」
「だったらどうして....」
「......好きだから......亜梨紗の事が好きだから......ウソはつきたくなかった......それがどういう結果になっても......亜梨紗が決めた事に従うつもりだった......」
「......」
亜梨紗は無言で俺の腰の上に座った。それから亜梨紗はさっきひっぱたいた頬にそっと右手を当てた。俺は亜梨紗の目を見続け、亜梨紗の審判を待った。
「ゴメンね......純....痛かった....よね......」
亜梨紗は俺の頬を優しく撫でた後、俺の頬に何度もキスをした。
「純か悪くないって......責める事は出来ないって......わかってるの......」
「そんな事......」
「ううん....アタシのワガママだよ......」
「亜梨紗......」
「ゴメンね....アタシ知らなかった......こんなにも純の事が好きだなんて......自分でも気づいていなかった......」
亜梨紗は俺の顔を両手で挟み
「これからは私だけを見て!」
そう言って唇を重ねてきた。
「んっ....んんっ....」
躊躇いがちに舌を入れてきて俺の舌と絡めあった。
「俺はもう亜梨紗しか見てないよ!」
亜梨紗の唇を離して囁くと
「嬉しい......」
亜梨紗は再び唇を重ねてきて、お互いの唇を....そして舌を貪りあった。
亜梨紗が体を動かす度に、俺の腰の上に座っている亜梨紗の体が俺のモノを刺激して反応してしまった。