どっちつかずの気持ち-4
そんなささやかな時間があたしの何よりの楽しみになっていったし、たまに仕事中に目が合ったりすれば、ニッと笑い合ったり。
そんなことを繰り返して、意識をするなという方が無理な問題であり、あたしの中で久留米さんの存在は日増しに大きくなっていくのは止められなかった。
今日も喫煙室で二人でくだらない話をしていると、副島主幹とクミちゃんがガチャリとそのドアを開けて入ってきた。
副島主幹はあたし達を見るなり、
「おう、お邪魔虫だったか」
なんて、笑っていた。
ずいぶん笑うようになったとはいえ、喫煙室に他の誰かが入ってくると、久留米さんは無口になる。
それでも、久留米さんは副島主幹に向かって小さく頭を下げて、あたしから少し離れた。
少しだけ久留米さんの表情が曇ったのを、あたしは密かに見逃さなかった。