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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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どっちつかずの気持ち-2

せっかく久留米さんに身体だけの関係はもう止めるって言ったのに……。


久留米さんが“頑張れ”ってクスリと笑いながら言ってくれた顔を思い出すと、涙がジワリと滲んでくる。


負けたくない、負けたくないけど、あたしは目の前のこの人をどうしようもなく欲しているのも事実で。


「ほら、玲香」


「…………」


「言わなきゃこのまま止めてもいいぞ」


恥ずかしさと逡巡の中で、欲望に打ち負かされたあたしは、とうとう塁を求める言葉を出してしまった。


そして次の瞬間、あたしは彼の脚の間に手を伸ばす。


すると塁はニヤニヤしながら、


「さっきからイきたくて仕方なかったんだもんな。

ホント、どうしようもない淫乱女」


と、あたしを嘲笑った。


でも、その後の彼の動きは見事なほど手際がよく、口で小さな小袋をピリッと破ってあっという間に避妊具をつけると、あたしの中にそれを埋めてきた。


満たされた感覚に思わず声を上げてしまう。


そんなあたしを笑いながら、塁はゆっくり身体を動かし始める。


塁のリズミカルな動きに合わせながら、短い吐息が小刻みに漏れる。


でも妙に冷静な自分がどこかにいて、もう一人のあたしはさっきから塁とあの娘の存在のことをずっと考えていた。




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