どっちつかずの気持ち-13
「玲香……」
口の中で張りを取り戻していくそれを、時には吸い上げたり裏側に舌を這わせていくうちに、塁も無言になっていった。
普段のあたしなら、一回ヤったらシャワーを浴びてからじゃないと二回目なんて考えられなかったのに、今は何もかもめちゃくちゃになりたかった。
夢中で頭を動かしながら、副島主幹の言葉が浮かぶ。
――久留米はな。
塁はたまらなくなったのか、あたしの頭を離すと、強引にあたしを組み敷いた。
「どうしたんだ、玲香?」
そう言いながらもあたしの脚を開くと、指を埋めてわざと恥ずかしい音を立てながら優しく円を描くように中をかき回し始めた。
静かな部屋に響く、どことなく粘りのある水音とあたしのイヤらしい声。
さっきの行為で何度か昇天したあたしの身体は、充分過ぎるくらい潤っていた。
塁は、あたしの中から溢れきった液体を掬い取ると、それを潤滑油代わりにしてすぐ上にある突起を優しくなで上げる。
そうなると、もう意識は快感を得ることしか考えられずに、一際高い声が上がり、自然と脚が思いっきり広がってもっともっとと求めてしまう。
今だけは全て忘れたい。
なのにまた、副島主幹の言葉が浮かぶ。
――一緒に暮らす予定の女がいたんだけどな。
「塁……、もう待てないの……」
あたしは悲鳴をあげながら、塁の腕を掴む。
「お前、今日なんかおかしくねえ?」
そう言いながらも、彼は再び枕元の小袋を取り出し、再びあっという間にそれを装着した。