夢か現(うつつ)か-7
陰毛の形を綺麗にしてあげると言う松本に対し、激しい抵抗を見せていた小夜。
そんな小夜にあのバカは、勝手に部屋のどこかからビニール紐を持ち出して、ベッドのポールに手首を縛り付けて――。
再びダラダラ溢れ出す脂汗。
恐る恐る視線をベッドのポールの方に向けると、ベッドの脇にあるサイドテーブルにビニール紐が置いてあった。
あれ、あんなの置いてあったっけ……?
血の気がどんどん引いていく。
「……翔平?」
動きが止まった俺を、不思議そうに小夜が見上げる。
いや、アレは夢だったんだ!
そう自分に言い聞かせた俺は、やや強引に小夜の履いていた黒いパンツのベルトを緩め出した。
「きゃっ! しょ、翔平っ!」
違う、違う、アレは夢だ!
無理強いはしないと決めたはずなのに、真実を確かめなければという焦りからか、じっくり愛撫をする余裕すらなく、ショーツの中に手を入れる。
「んっ、翔平……い、痛……」
彼女はそんな俺が恐くなったのか、俺の胸を押し返そうとするも、お構いなしに小夜を抑え付ける。
――もしアレが現実で、小夜のココを整えたと言うのなら、剃り跡が残っているかもしれない。
バクバクする心臓は、決して興奮してるからじゃない。
緊張と不安で、俺の頭の中はおかしくなりそうだ。
息を荒くした俺は、そのまま彼女のヴァギナに手探りで触れた。
「やっ……!」
「…………!」
思わず目を見開いたまま、動きが止まる。
そのままこの部屋は時間が止まったみたいに静かになった。
「し、翔平……どうしたの……?」
ゆるりと小夜を見つめれば、怯えたみたいな潤んだ瞳。
そんな彼女から目が離せなかった俺は、喉を上下に動かしてから、心の中で呟いた。
――あれは夢……ですよね?
ー終ー