夢か現(うつつ)か-6
ゆっくり小夜のシャツのボタンを外していく。
目が合えば、少し照れ臭そうに笑う小夜に、こちらまで顔が綻んでいく。
また一つ壁を乗り越えた、そんな達成感を噛み締めながら。
そうしてシャツのボタンが外れると、瑞々しい果実が窮屈そうにブラジャーに収まっているのが見えた。
「恥ずかしいか?」
「ん、ちょっと……だけ」
「大丈夫、愛してるよ」
抱き締めながらチュッとキスをして、徐にホックを外すと、解放された柔らかい乳房がプルン、と揺れた。
いつも、こうやって身体が露になる瞬間が好きだ。
「ああ……翔平……」
恥ずかしそうに腕で胸を隠す小夜が愛おしい。
「可愛いよ、小夜……」
その手をぐっと掴んで、手首にキスをしようとした所で、ふと動きが止まった。
手首にザラリとした感触がしたので、親指でその辺りを何度もなぞってやる。
……カサブタ?
そう、滑らかな肌にあった違和感は、カサブタだったのだ。
不思議に思って手首を見ると、何やら赤い線みたいな跡が小夜の手首をぐるりと取り囲んでいた。
まるで縛られていた跡のような――。
途端にゾクリと背中に鳥肌が立ってもう片方の手首も掴み上げて、マジマジと見た。
反対の手首はカサブタこそなかったものの、さっきと同じように縛られていたような跡が。
あれ? 確か……昨夜……。
夢だと結論づけたはずの昨夜の幻が、再び鮮明になっていく。