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傍らに咲く花
【同性愛♀ 官能小説】

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百合の花、繚乱-2

「り、里穂ちゃん……?」


見れば、ベッドの上で仰向けになった小夜に、松本が馬乗りになっていた。


松本のサラサラヘアがすだれのように垂れ下がっていて表情はよく見えないが、絶対アイツ、悪魔の笑いを浮かべてやが……。


ふとその時、松本が中指を使って耳に髪をかけた。


そして。


様子を伺っていた俺と、鏡越しに目が合ったかと思うと、彼女はニッと歯を見せずに笑って――。


「さ、小夜さん。女の子同士だから恥ずかしがることなんてないですよ。だから、気にしないで見せてください」


「きゃあっ!!」


手早くベルトを緩めたかと思うと、あっという間に小夜のジーンズを一気に脱がしてしまった。


小夜っ……!


咄嗟に毛布から飛び出そうとするが、


「だーいじょうぶですって。駿河さん、酔っぱらって“爆睡”してますから」


と、わざとらしいくらい大きな声が俺の動きを止める。


そしてチラリと横目で鏡越しの俺を見たかと思うと。


「さ、“愛する駿河さんに嫌われないように”、あたしがちゃーんと小夜さんのアソコを調べてあげますから」


と、わざと俺の名前を出して小夜を煽った。


松本、てめえ……。


「女同士なんだし、こんなのよくあることですよ」


嵌めやがったな――!!


小夜に向けて言った言葉は、絶対俺にあてつけて言った言葉だ。


その証拠に、


「さあ、小夜さん? 邪魔なパンツも脱ぎ脱ぎしましょうねえ」


「ひ、ひゃあっ! 里穂ちゃん待っ……!」


小夜が言い終わらない内に手早く、最後の砦を崩した松本は、小夜のショーツをポーンと“俺の方に”放り投げた。


目の前にパサッと落ちる小夜のピンクのショーツ。


ちょっとだけ背伸びしたようなデザインのそれは、本当は俺に脱がされるはずだったのに。


たくさんキスをしながらゆっくりベッドに押し倒して、何度も愛の言葉を囁きながら、甘いムードの元、そっと脱がされるはずだったそれは、ツルツル光沢があって、やけに触り心地がよさそうだ。


それだけに、俺は――。


依然毛布にくるまったままの俺は、バッとショーツに手を伸ばし、毛布の中にしまい込む。


驚くほど軽くて滑らかな手触りの、まだぬくもりがのこるそれ。


きっと俺と久しぶりに会うから下着にまで気を遣ってくれたんだろう。


それをあのバカはポーンと投げ捨てやがって。


これが小夜の大切な所を守る神聖なものだけに、それを踏みにじった松本を、俺は――。


小夜のショーツをグッと握りしめながら、砕けるくらい奥歯をギリリと噛み締めた。


――絶対許さねえ!!





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