投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

掌でダンス
【その他 官能小説】

掌でダンスの最初へ 掌でダンス 0 掌でダンス 2 掌でダンスの最後へ

掌でダンス-1

俺、上田健二。
俺が働く会社はいかにも町工場って感じで、おっちゃんおばちゃんばかりが働いているような所だ。
新入社員は俺の後もう何年も採用してない。
そんな俺は30歳。

家に帰れば妻(里美)と子供二人。里美とはとうに冷めていたが、これがフツーの幸せなんだと思って暮らしていた。
だが、人生は何が起きるかわからないもんだな。
すごい事が起きた。

ある日、うちの工場に新人バイトが来た。
おどろいた。
てっきりおばちゃんかと思いきや、若い女だった。
27歳!
独身!
俺より少し背の低い、スラリとした女。

顔は…モロ好みだ。
端正で涼やかな顔立ち。
名前は松井千秋。

単純な俺はすぐに好きになった。歳も近いので、簡単に仲良くなった。もー仲良くなれるだけで満足。仕事来んのが楽しくなった。

「千秋ちゃんってさぁ…彼氏いないの?」
思い切って尋ねた。
「いないよ。上田くん、誰か紹介してよー。」
「…俺でいいじゃん。」
なんて冗談ぽく言ってみたが、心臓はバクバクだ。かわいいなぁ俺。
なくした青春が蘇るって、こんな感じなのか?
里美とは一発必中デキ婚だったから、そんな気持ちは生まれ無かった…。

そんな淡い恋心など。
「えー。上田くん結婚してるじゃん。」
…し、知ってたのか。
「誰に聞いた?」
「事務の土田さんが言ってた。」
あのババァ…。も少し夢見たかったなぁ。
「なんだよー。千秋ちゃ〜ん。」
「あっははは!」
千秋ちゃんは美人だけど豪快に笑う。意外と男っぽい。そこがまたいい。

恋する気持ちって久しぶりだ。高校以来かもな。
俺は今まで情だけで里美と生きているけど…やっぱりそれは間違いなんだ。
でも家庭を持つ責任は貫かなきゃ。千秋ちゃんとは何も望まない。
望んではいけないんだ。

そんな決意とは裏腹に、俺はどんどん千秋ちゃんを好きになっていった。
千秋ちゃんが俺以外の男(勿論おっちゃん)と笑顔で話してるのとか見ると、ムカついたし、心が痛くなった。
千秋ちゃんと話すと、楽しくて嬉しくて幸せ。
千秋ちゃんが俺に笑ってくれるとスゲェ愛しくて。
千秋ちゃんに触れたい。
抱きしめたい。

手に入れたい。


里美は相変わらず俺より子供の事ばかり。俺のことを生活資金としか見てないんだ。コイツは。
疲れて帰ってきても、オカズがスーパーのコロッケのみって…酷くねぇ?
あーあ。


千秋ちゃんなら絶対違うな。
千秋ちゃんは男っぽいけど、優しいんだ。見ててわかる。
…俺はつくづく里美との関係に嫌気がした。


「千秋ちゃん!今日メシでも行かない?」
俺は俺の幸せを掴むことに決めた。妻子は関係ない。
「え〜。既婚者がそんな事軽々しく言ったらダメよ。」
やっぱり?仕方ないけど、断られると…へこむなぁ。
「なんつって。オゴリなら行く〜。」
「お、オゴるよ!俺のオゴリに決まってんじゃんか!」
や…やったぁ!!
どうしよう。めちゃめちゃ嬉しい。
早く仕事終われー!


掌でダンスの最初へ 掌でダンス 0 掌でダンス 2 掌でダンスの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前