うちの愛猫-6
残されたあたし達はなんとも気まずい雰囲気に包まれながら、黙々とアイスコーヒーを飲み始めた。
まいったな、といった表情で首の後ろを掻いている久留米さんをチラッと見てから、あたしは再び頭を下げた。
「本当にお母さんったら……。
嫌な気分にさせてすいませんでした」
「いや、俺もいきなりお邪魔しちゃったのが悪かったんだ。
これご馳走になったらすぐ帰るから」
彼はそう言って、アイスコーヒーを勢いよく飲み始める。
あたしよりも久留米さんに変な気を遣わせてしまったことがやけに恥ずかしい。
ホント、うちの母は何考えているのやら……。
それに既成事実って……。
ふと、よからぬ想像が浮かぶ。
「……どうした?」
ボーっと久留米さんを見つめていたあたしはハッと我にかえって、
「あっ、すいません!ボケッとしちゃって」
と慌ててアイスコーヒーを飲み込んだ。
ふと、塁と普段していることを久留米さんに置き換えてしまっていた自分に呆れかえった。
すぐそういうことばかり想像しちゃう自分は、間違いなく変態かもしれない。