うちの愛猫-12
「あの……」
「ん?」
「メイ、多分久留米さんのことすごく気に入ったんだと思います。
この気難しい子がこんなについてまわるなんて有り得ないし。
だから、もし久留米さんさえよければまたメイに会いにきてやってくれませんか?」
半分はメイのため、もう半分はあたしのため、なんて下心は内緒だけど。
メイは、あたしの腕の中で耳をピクピク動かしながら黙って目を閉じている。
「……いいの?
俺もコイツ気に入ったし、すごく嬉しい」
そう言って彼はメイの小さな頭をちょんちょん撫でた。
「はい、ぜひまたいらして下さい」
「うん、わかった。
じゃあごちそうさま。また明日な」
そうあたしに笑いかけてから、久留米さんはメイに向かって、
「また会いにくるからな、……めいこ」
と、今まで見たこともないような優しくて、どこか淋しげな表情を彼女に向けながら、再び頭を撫でた。
するとメイは、やっぱり返事をしたように“ニャー”と小さく鳴いた。