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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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うちの愛猫-10

「久留米さんは猫好きなんですか?」


「いや、どちらかと言えば犬派。

でも、こうやって懐いてくれると猫も可愛いもんだね」


そう言って久留米さんはメイの毛並みに沿って優しく撫でている。


メイは完全にそこが気に入ったらしく、降りようとする素振りすら見せない。


「……うーん、不思議。

この子ね、捨て猫だったせいか、ホント気難しくてあたし達家族以外には絶対懐かないんですよ。

ホントはもう一匹ぐらい飼いたいなって、新しく猫連れてきたことが何度かあるんですけど、どの子に対してもすぐに背中の毛を逆立てて喧嘩を始めたし。

結局その子達は他に飼ってくれる人のとこに引き取ってもらったんだけど……」


「へえ、気難しいなんてとても思えないなあ。

こんなにおとなしいのに」


「だから不思議なんです。

他人はダメ、他の猫も喧嘩ばかりのメイに懐かれるなんてすごいことなんですよ」


久留米さんの膝の上で気持ち良さそうに目を閉じている今のメイを見てると、とてもそんな風には思えないけど。



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