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Betula grossa
【ラブコメ 官能小説】

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一生分の恋-7

「あのね....美菜お姉ちゃん....実は.......」
私は昨日伝えようとした事を美菜お姉ちゃんを呼び出して伝えた。
「それは本当なの?」
美菜お姉ちゃんは驚いていた。
「うん....たぶん....」
「それで葛城君はなんて......」
「わかんない....私が聞いたのは、亜梨紗さんが純兄ちゃんに告白した後で友達と話しているところだったから....でも..たぶん....返事はまだだと思う....そんな感じだった....」
「そっか......」
美菜お姉ちゃんは何か考え込んでいた。
「私....純兄ちゃんに告白しようと思う....フラれるかもしれないけど......ううんその可能性が高いけど....何もしないで諦めたくないから....あっ!」
不意に外を見た時、私達がいるファミレスの横を指を絡めて手を繋ぎながら楽しそうに笑っている純兄ちゃんと亜梨紗さんの姿を見てしまった。固まっている私を見て
「どうしたの?」
美菜お姉ちゃんも外を見ると
「あっ......」
悲しそうな顔で固まってしまった。
「美菜お姉ちゃん....私....なんでこんな最悪のタイミングで外を見てしまったのかな......」
私の目から涙が溢れ出てきた......
「ヤダ....笑美ちゃん....泣かないでよ....笑美ちゃんが泣くと....私が泣けないじゃないの......」
美菜お姉ちゃんは必死に涙を堪えていた......



「ここでいい....」
「えっ?亜梨紗の家はまだ....」
「いいの?アタシの家族に逢っても....」
「いいよ!別に悪い事してないし......」
「ありがとう....でも....ここでいい......そのかわり......」
純の目を見つめていた私はそっと目を閉じた。
「......」
少しの間をおいて純は私にキスした。
「じゃぁまた明日な!」
「うん!」
純はそう言って帰って行った。
「道の真ん中でキスしているバカップルがいると思ったらまさか妹だったとはね....」
振り返ると姉が立っていた。
「べ..別にいいだろ!」
「私は別に気にしないけど......ここは日本だからね!家の近くでは遠慮したほうがいいと思うよ!」
「......わかった.......」
「ところで....今の純君じゃない?」
「うん....」
「良かったな!亜梨紗!長い片想いが実を結んで....」
「えっ?」
「バレバレなんだよ!お前は!」
「.........」
「で?あの事は純君は知っているの?」
「えっ?」
「卒業すると直ぐにウィーンに行くって事....」
「まだ......」
「そう....早く言ってしまったほうがいいよ!」
「うん....わかってる....」
「それならいいわ!」
姉はそう言って先に帰って行った。

姉に言われなくてもわかっている....私は卒業するとウィーンに行く....たぶん日本にはもう帰って来ない....
そして純に全てを打ち明ける....私が....純や茉莉菜を裏切った事全て....

だから....

この恋は1ヶ月だけの期間限定の恋....

そして

私の

最初で最後の恋....


そう....


私は


1ヶ月で


一生分の恋をするんだ....


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