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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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垣間見える過去-7

「だって、身体だけって割り切られてからはアパートにも上げてもらえない、ホテル以外でも会ってもらえないんだろ?

そこまでキッパリ線引かれてるなら宗川さんに対して気持ちは無いと思う」


あまりにハッキリと言われて、あたしは泣きそうになってしまった。


指摘されたことは薄々気付いていたけど、第三者の目から、しかも久留米さんに言われるとショックのデカさも段違いだ。


「……男の人って気持ちがなくても、そういうこと平気で出来るんですか?」


あたしが低い声でそう言うと、久留米さんは一瞬迷ったように視線を泳がせてから、


「人によりけりだけど、大なり小なりそういうズルい部分って誰でも持ってると思う」


と、呟いた。


相談っていう名目で話を聞いてもらっていたけれど、どちらかと言えば“そんなことないよ”とか“頑張ればヨリ戻せるよ”とか慰めてもらいたかったのに、彼はサッパリそんな優しさを見せなかった。


だからあたしは、


「……久留米さんもそういうズルいとこあるんですか」


なんて、結構手厳しい発言をする彼に少し反撃したくなった。


すると、彼は苦笑いをしながら


「同じ状況ではないけど、他に好きな奴がいながら別の娘と付き合ったことは何度かあるな」


と、いつの間にか短くなった煙草を灰皿に押し当てていた。





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